アリの巣飼育ケースを自作!百円均一の材料で作成する方法【石膏巣】

蟻の飼育ケース(石膏巣)・飼育セットの作り方をご紹介!

アリの飼育って飼育ケースの調達が難しいんですよね。なにせ相手は小さな生き物ですから、その辺の昆虫飼育ケースなどでは隙間だらけで絶対に飼育できません。100%脱走されて終わりです…。

ですから、蟻を飼育するには、「専門店で蟻用の飼育容器を購入するか」「自分で作るか」の2択になってきます。

でも、専用のアリの巣飼育ケースは結構高いんですよね。ですから、できる限り自作したいものです。ということで今回はアリの飼育ケース(飼育キット)の作り方をご紹介します。しかも、材料は簡単に手に入れやすい100均一(ダイソーやセリア)で揃えます!

(追記:2021年4月21日)
背の低いアリ飼育ケースを作成しました!それも100均のケースを使っています。この記事で紹介した飼育ケースの「ケースの背が高い」という欠点を補っていますので、飼育ケースを自作予定の方はぜひこちらの新記事もご覧いただけると嬉しいです!

では、作成方法をみていきましょう!

アリの巣飼育ケースの構造とは

まずはじめに、アリを飼育するときのケースの構造についてご説明します。基本的に、「巣」のケースと、「エサ場」のケースの2つのケースが必要です。

そしてその2つのケースはチューブなどで連結します。これがアリの飼育ケースの基本です。

「巣」の部分は、「平型」と「アリの巣型」の2つが主流です。

平型の蟻飼育ケース

平型蟻飼育ケース
ケースの床面に石膏を敷いた平らな形状をした巣です。空間が大きいので蟻の確認が非常にしやすく、おすすめな飼育ケースです。また、管理も容易で汚れたらケースを交換しやすい利点があります。長期的な飼育を容易にしてくれる飼育ケースといえますね。

その分、自然の蟻の巣のような形状ではないため、アリのリアルな生活を観察することはできません。(平型ケースを連結させて部屋をたくさん作ってあげればそれっぽくなりますよ!)
今回飼育するケースは、この平型飼育ケースです。製作も簡単で、材料と工具さえあれば誰でも作れるケースです。

アリの巣型の飼育ケース

アリの巣飼育ケース
よく絵本などで見るアリの巣を見立てた形状をしています。まさにアリの巣の断面図のようです。めっちゃ憧れる飼育ケースですよね。これも自作することが可能ですが、製作は結構大変な作業になります。この飼育ケースの作成方法については、以下2つの記事でご説明しています!

▼アリの巣型の石膏飼育ケースの作り方を公開しました!

ダイソー(100円ショップ)で購入した材料

今回は蟻の飼育ケースを100円ショップの材料で作るのが目的です。ということで、100均といえば”ダイソー”さんで材料を購入してきました!

ダイソーで購入したケース
こちらが購入した材料です。左から、クリアケース中、クリアケース大、ポンプボトルです。この3つで基本的な蟻の飼育ケースを作っていきます。

  ちなみにAmazonでケースを買うなら、平型のスチロールケースがオススメです。SK-5というケースを私はいつも使用しています。

事前に用意しておくもの

穴あけの道具や、石膏などは事前に準備しておく必要があります。

準備する道具

電動ドリルはちょっと敷居が高いですが、DIYをするときに必ず必要な工具なので持っていて損はしないと思います。石膏はアリの巣の保湿用に施工する必要があります。ビット(ドリル)はアクリル用のものを使用します。木工用や兼用ビットなどを使用するとケースが100%割れるので注意してください!上で紹介したアクリルビットは丸軸のものなので、六角軸のドリルを使用する場合は、ドリルチャックが必要になります。

アクリルビット
これがアクリルビットです。100円ショップの透明なケースはおそらく殆どがポリスチレン系ですが、アクリルビットで問題なく穴あけすることができます。

チューブを切ろう!

チューブ
チューブは餌場とアリの巣をつなげる道路的な役割で使います。今回、チューブをダイソーで探したのですが、水槽用の細いチューブしか売っておらず探すのに苦労しました。最終的にこのボトルに付いているポンプのチューブがちょうどいい直径でしたのでコレを使います。

チューブ
使うのは、このチューブの部分だけです。

チューブの先端をカット
チューブだけを外したら、先端が鋭利なのでカットします。

3分割したチューブ
このチューブを更に3つにカットします。2つは3cmくらい。1つは余った分を使います。

プラスチックケースに穴を開けよう!

続いて、プラスチックケースにチューブを通す穴を開けていきます。今回は、アリの巣とエサ場を2つのチューブでつなぎます。また、巣の水分補給のために巣のプラスチックケースにも1箇所穴を開けます。

ケースの位置関係
巣は左の小さい方、エサ場を右の大きい方にします。このように並べると、サイズがピッタリになっていい感じですね!

穴あけ箇所をマーキング
穴あけ箇所をマジックでマーキングします。穴あけ位置がずれるとチューブをうまく付けられませんので、ここは慎重におこないます。

ドリルで穴あけ
ドリルで穴を開けます。今回はチューブの外径と同じ8mmで穴を開けます。

削りカス
アクリルビットで穴あけをすると、写真のような削りカスがでます。

4箇所に穴開け
4箇所穴を開けたプラスチックケース。この穴同士をチューブでつなげるわけです。

蓋にも一箇所穴あけ
こちらは、小さい方の蓋に穴を開けてチューブを付けたところです。この穴は蟻の巣に水分を補給するためのものです。必ずしもつける必要はありませんが、管理が楽になるので付けていいと思います。

チューブに入れるスポンジ
ちなみに、水分補給用の穴にはチューブを差し込むのですが、そのチューブは何かしらの方法で塞いでおく必要があります。今回はメラミンスポンジをカットしてチューブに詰め込みました。できれば、硬いもの(たとえば割り箸の先っぽ)で塞いだほうが脱走防止や乾燥防止の面でいいでしょう!

スポンジを詰めたチューブ
ギュウギュウにメラミンスポンジを詰めたチューブ。ガチガチに詰め込む必要があります。

アリの巣側のケースに石膏を流そう!

いよいよプラスチックケースに石膏を流して、蟻の巣の土台を作ります。

石膏を入れたケース
まずは、石膏を入れるケースに石膏の粉を入れて量を調整します。今回はちょうど40gにしました。使った石膏が、「石膏20:水17」だったため、水を34mlで混ぜ合わせます。

水に石膏を流し込み
水に先程の石膏をゆっくり流し入れます。

よくかき混ぜる
ちょっとだけ置いたら、泡が立たないように1分ほどかき混ぜます。

蟻の巣のケースに石膏を入れる
ドロドロの石膏を蟻の巣の飼育ケースに流し込みます。

ドロドロの石膏
石膏は平らになっていないので、揺すって平らにしてあげましょう!

平らにした石膏
空気を抜きつつ平らにした石膏。この状態になったら、固まるまで待ちましょう。1時間ほど経てば固まります。ちなみに、石膏の表面は素手では触らないほうが良いそうです。僕がベタベタに指紋を付けた石膏巣ではカビが全然生えなかったので都市伝説かも知れませんが、できる限り素手で触らないほうがいいと思います。

ケースをつなげて完成させよう!

あとはケースをつなげるだけです。穴を開けた箇所にチューブを付けて、2つのケースをつなげましょう!

完成した蟻の巣
こんな感じでセットします!ケースがぴったりですね。

蓋をとった蟻飼育ケース
蓋を外した状態の飼育ケースです。サイズがぴったりでいい感じですね!今回はエサ場を装飾していないですが、小石を敷いたり、植物を入れたりするとそれっぽくなります。

完成した蟻の巣飼育ケース
蓋をした完成状態の蟻飼育ケース。この材料費は300円です!

チューブ
このチューブを通って蟻が巣とエサ場を行き来できるようになっています。

完成した蟻飼育ケース
今回は100円均一のダイソーで売られている材料でアリの飼育ケースを作成してみましたが、なかなかいい感じの石膏巣ができた気がします。ちょっと背が高いのでアリの居心地がどうなのかが気になりますが、これでも問題なく飼育はできると思います!
100円均一で素材調達できれば、簡単かつ低コストでアリの飼育ができますので、ぜひ皆さんも参考にしてみてください!

(追記:2021年4月21日)
背の低いアリ飼育ケースを作成しました!それも100均のケースを使っています。この記事で紹介した飼育ケースの「ケースの背が高い」という欠点を補っていますので、飼育ケースを自作予定の方はぜひこちらの新記事もご覧いただけると嬉しいです!

ちなみに、大量生産するなら、100円ショップで買うよりも安上がりかつ高品質でアリの平型飼育ケースを作成することが可能です。下記に大量生産用の飼育ケースの作成方法をご紹介します!

最後に

今回作成した石膏飼育ケースですが、コレに限らず石膏部分は固まってから1週間ほど乾燥させてください。完全に水分がなくなってからアリを入れて飼育しましょう!カビや強度などの点で、完全に乾燥してからのほうが有利です。

スケジュールとしては、「巣の作成→乾燥(1週間)→注水(石膏に水を染み込ませる)→蟻を入れる」が良いのかなと思います。以上、ご参考まで!

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