本州にも生息!?アギトアリという大型アリ!

アギトアリという大型の蟻、知ってますか?大型の蟻といえば、日本にはクロオオアリという大型アリが生息しています。その大きさは1.7cm。アリといえば2〜5mmくらいの小さなアリを想像しますよね。でも、クロオオアリのように2度見するくらい大きなアリが日本に普通にいます。しかも、レアでもなんでもなく、割とどこにでも生息しています。東京の有明などの臨海部でも注意して見ると普通に生息しているんですよね。

そんな中、普通のアリとは全く違う形状のアリが日本に生息しています。それが今回ご紹介するアギトアリです。

アギトアリってこんな蟻

アギトアリ
アギトアリは湿った森林に生息する森林性の蟻です。都会や街中ではどこを探しても見つかりません。レアっちゃレアな蟻なのですが、そもそも、生息分布が少ないので当たり前かもしれませんね。

分布

屋久島や種子島、口永良部島、鹿児島県本土が中心ですが、本州でも一部地域で生息が確認されている不思議なアリです。そもそも、種子島・屋久島地方だけに元々分布していたというのがちょっと特殊な気がします。本州のアギトアリは果たして人為的な持ち込みなのか、古来から生息していたのかは不明ですが、大都市圏近郊の緑豊かな山地や森林で見つかっているというのがちょっと変な感じがしますよね。一般的には、国内外来種(移入種)と捉えられているようです。

アギトアリは大型のアリ

アギトアリ
体長は1cm ほどです。普通のアリと比べると大きい部類ですよね!見かけたら、すぐに気付くはずです。

アギトアリは周りの動きよりもゆっくり動く

大型ハリアリの特徴なのか分かりませんが、フィールドではゆっくり滑らかな動きをします。危険があるときは俊敏な動きをしますが、普段からせわしなく歩いている他の蟻と比べるとおおらかな印象です。

アギトアリの大きな特徴

アギトアリといえば、大きな顎です。クワガタのような顎を持っているため見た目がすごくワイルドですよね。
この顎は実は180度開くことができ、獲物を瞬時に捉えることができます。
顎を閉じるスピードは生物界最速と言われているほどです。(追記:2018年、アギトアリよりも速いスピードで顎を閉じるアリが確認されました。ノコギリアリの仲間で、秒速90mのスピードで大顎を閉じるそうです。)

アギトアリの大顎
顎の内側の感覚毛に獲物が触れるとトラバサミのように瞬間的に顎を閉じて獲物を捕らえます。閉じた瞬間、パチン!と音がなるのでその速さを実感します。獲物を捕らえること以外にも、顎の反動を活かして逃げる時にも使います。パチン!と閉じた瞬間、アギトアリ自身が宙に舞って真後ろに逃げることができるのです。

お腹の先端には毒針

ハリアリの仲間ですから、腹部の先端には毒針を持っています。私は刺されたことが無いですが、日本に多くいる”オオハリアリ”よりも痛いらしく、素手で触るのは避けたほうがよさそうですね。自然界や飼育下でこの毒針を使っているところを私は見たことがないのですが、どれくらいの頻度でこの毒針を使っているかは気になるところです。

本州のアギトアリ

では、関東に住んでいる私の場合、アギトアリを観察できるポイントはあるのでしょうか??実は本州や九州、四国のいくつかの箇所はアギトアリの生息が確認され、公表されています。また、ネット情報なども合わせると、アギトアリが確認されているのは、下記のとおりです。

  • 福岡県北九州市
  • 高知県佐川町
  • 岡山県赤磐市
  • 大阪府箕面市
  • 三重県いなべ市
  • 静岡県富士宮市
  • 神奈川県横浜市金沢区
  • 東京都武蔵村山市

追記:2020年11月30日
高知県佐川町で四国では初めてアギトアリの生息が確認されました。民家の床を翅のついた女王アリが這っているところを発見されたようです。

日本に生息するアリの中では最大級のアギトアリがこのほど、四国では初めて高知県高岡郡佐川町で確認された。森林にすむアリで、体長は1センチ超になりクワガタムシのようなアゴを持つのが特徴。生息範囲を調べるため、研究者が情報提供を求めている。
引用:高知新聞

現在、生息していると言われているのは上記です。しかし実際にはもっといろいろなところに生息している可能性があるかもしれません。しかし、上記の地域でも生息箇所はごく一部に限られておりアギトアリを生で見るのは困難です。

ただ、ネット上ではおおよその生息場所を示しているページも見られるため、それらを参考にすればアギトアリの生息地を見つけられるかもしれません。(※)
※地域により住宅街に隣接している事もあるため、近隣住民の方々に配慮し、こちらでは詳細を控えております。

野生のアギトアリ

自然環境では、森林の林床に巣があるようです。例えば石や倒木の下に巣を作ります。ゴミや土嚢などの下に巣があることもあります。

野生のアギトアリ
このような場所にアギトアリは多いですね。行列で行動するのではなく、単独で行動しています。

アギトアリ
昆虫や仲間の死骸をくわえるアギトアリ

今のところ駆除や移動を制限されていないので、採集することも可能(採集禁止の区域以外)です。

その土地の在来種を狩る蟻としての側面


私も何度もアギトアリを観察していますが、興味深い光景を何度か見ることがあります。それが、クロナガアリなどの在来種を食料として狩る姿です。

もともと、小昆虫類を狩るのに適した大顎を持ちそれらをエサとするアギトアリですが、蟻をもターゲットにするのです。
本州などのアギトアリは国内外来種であるため、その土地の在来種にどう影響するのかが今後懸念されそうです。

飼育は難しい

アリの飼育は比較的簡単ですが、アギトアリについては飼育難易度が高いです。そのため、購入したり採集したりして入手しても、結局全滅させてしまう可能性がとっても高く、アリ飼育に慣れている方を除いて飼育はおすすめできません。

エサが大変

まず、小型の生きた昆虫を与えるのが基本のためです。ミルワームは硬くて大きいので、半分か1/3にカットしてから与えます。
これだけならまだいいのですが、同じエサを与え続けると飽きて食べなくなります。そのため常時、3種類以上のエサを準備しておくと安心です。
自然界では樹液などもエサにしているため、たまに蜜系のエサを与える必要もあります。

動かない

飼育していると気付きますが、アギトアリはあまり動きません。なので、蓋を開けて確認してしまいがちですが、これが原因か分かりませんがストレスにより巣が崩壊することがあります。

掃除ができない

蟻は綺麗好きなイメージですが、アギトアリは掃除ができないアリです。エサの残骸を巣内に放置することが多く、カビや悪臭、ガス発生の原因となります。巣外に砂や土を置いておくと、巣に持ち帰り残骸を土で埋める行動をします。どちらにしても、最終的に汚れてしまうので定期的に新しい巣に交換することが重要のようです。

ダニやトビムシの増殖

採集したコロニーにダニやトビムシが付いていると飼育容器内でダニやトビムシが増殖します。全てに言えるわけではないかも知れませんが、このようなコロニーは長持ちしない傾向です。このように、普通の蟻の感覚では飼育することができませんが、ハリアリの飼育に慣れている方には問題ないと思います。

まとめ

特殊なカタチと大きさから、日本のアリとは思えないアギトアリですが、生態も含めて魅力的なアリではないでしょうか。人為的な持ちこみによる分布域の広がりは良いことではありませんが、もしかしたらあなたの近くの森にも生息しているかもしれません。大きな顎を持った細長いアリを見かけたら、じっくり観察してみると面白い発見があるかもしれませんよ。

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