冬の山でアリを採集!枯れ枝から蟻を見つけよう!

冬の山でアリの観察と採集をしてきました!冬にアリの観察?採集?と疑問に思われるかもしれません。そうなんですよね。だって、冬はアリが冬眠する時期です。ほとんどのアリは地中や樹木の中、枯れ枝の中などで動かず眠っています。だから、冬にアリが歩いているところを見ることは無いのです。

でも!見方を変えれば、冬は野生のアリを採集するのに最も適した季節です。アリは冬眠しているのでバラバラに活動していません。巣さえ見つけることができれば、簡単にコロニーごと採集することが可能なのです。狙うのは枯れ枝に巣を作っているアリ

ということで、真冬の関東でアリの採集に行ってきましたので簡単にレポートします!

どうやって採集する?

まず、アリを採集するには採集方法を検討しなくてはなりません。個人的な区分をしているので、超主観でまとめてみます!

篠竹採集

冬のアリ採集として有名なのは、篠竹採集という方法です。これは、直径2cmほどの篠竹の枯竹の中に巣を作るアリの習性を利用し、枯れ竹を割って中のコロニーを採集する方法です。篠竹が生えているところに行けば必ず採集できると断言できるほどポピュラーな方法ですね。僕も篠竹採集はよく行くのですが、関東だと河川沿いが中心になります。

竹林採集

篠竹(根笹)よりも大きく長い、真竹やモウソウチクなどのいわゆる竹林で採集する方法です。枯れた竹も大きく硬いので、採集するにも意外と骨の折れる作業となるイメージですよね。でも実際そうなんです…。しかも竹林って管理されていて勝手に入れる場所は限られるので、実際には竹林採集はおすすめできません。

アジサイ科の木本から採集

アジサイ科の枯れ枝はアリ採集に適した枝です。アジサイ属の他にもウツギ属(空木)も狙い目。これらは枝の中が中空になっており、アリが巣として利用することが非常に多い木本です。アジサイ科の木本は冬は葉が付いておらず生きているのか死んでいるのか分からないかも知れません。基本的に、株の根本にくっついてる枝は枯れてるように見えても生きていますので、絶対に折ってはいけません。アジサイ科からアリ採集するのなら、折れて林床に放置された枝から探すようにしましょう。

林床に落ちている枝から採集

シデなどの折れて落ちている枝からアリを採集する方法です。山に無尽蔵にある枯れ枝から探す方法です。対象は落ちている全ての枯れ枝なので基本的にどこでも採集が可能です。

今回は山に無尽蔵にある枝から採集してみる

いつもは、アジサイ科の木本や篠竹採集ばかりなのですが、たまには別の方法で!と思いましたので、山で枯れ枝採集に行ってきました。

山で採集するときの注意

山でアリ採集するときは、いろいろな点に注意する必要があります。

服装や用意するもの

ジーンスにスニーカーで山に入るのはご法度です!当たり前ですが、山には病院はありませんし、車が通れる道路もありません。ですから、事前の準備、特に服装には気をつけましょう。以下に絶対に用意するものをまとめてみます!

服装

  • 登山靴
  • 登山靴
    できればミッドカット以上の登山靴があるといいですね!足場の悪い山道は、ソールが貧弱なスニーカーや足首が守られないローカットシューズは不向きです。よく大学の教授とかが山に長靴で入って調査してますが、アレは慣れてるからです。長靴で山道を歩くのは結構大変なのでオススメはできません…。

  • 化繊のアウトドアパンツ
  • 登山で履くズボンって言ったほうがわかりやすいでしょうか。汗をかいても、万一濡れても速乾性に優れます。

  • 化繊のインナー
  • 下着は基本的に綿はNG。汗をかいたときにすぐに乾くインナーは体温管理に必須!山に登るときは汗をかき、採集中は動かないので汗が冷えて体温を低下させる原因となりますので、化繊の機能性下着があるといいです。

  • 防寒ジャケット
  • この辺は、アウトドアするときに使うようなジャケットやダウンなどを重ね着していきましょう!

  • 防寒グッズ
  • 冬の山はたとえ低山(1000m未満の山)でも極寒です。特に頭や耳、手が冷えますので、ニット帽や耳あて、手袋は必須です。

  • 雨具
  • おせっかいな人みたいになっちゃいましたが、冬の山にも雨具は必須です。山に雨具を必ず持っていくのは、夏の天気の急変から来ていますが、冬も万が一に備えて雨具を持参しましょう。場合によっては防風ジャケットとして役立ちますよ!

  • 軽アイゼン
  • 6本爪軽アイゼン
    もう完全に登山の装備ですが、冬の低山は日当たりの悪い山道が雪や凍結していることもしばしば。アイゼンとは、登山靴に装備する凍結面をホールドする爪のような冬山用の装備です。軽アイゼンは爪の本数が4本から6本くらいのアイゼンの簡易版のようなものです。積雪のある山にアリ採集にいくことは無いでしょうが、平野で冷たい雨が降った翌日などは低山では雪が積もっている可能性が高いので注意しましょう!

用意するもの

  • 地図
  • 登山地図
    登山をするわけじゃないし、と思っていても絶対に必要です。最近では登山用の地図アプリが出ているので、それでも大丈夫です!ただし、地図の読み方が分からないメンバーだけで山に入るはやめましょう!

  • コンパス
  • コンパス
    万一のためコンパスは必携です。お守りのようなものです。紙地図とコンパスはセットで一つのようなものですね。

  • 食料
  • 遭難したときのために、1日分の食料をリュックに入れておきましょう!おすすめはナッツやカロリーメイト、お菓子など。もちろんガスやバーナーを一緒に入れておけば、カップ麺やコーヒー、味噌汁などもいいですね!

  • タッパー
  • アリのコロニーを一時的に入れる容器として大きめのタッパーがあると採集が捗ります!

  • 単色のビニールシート
  • コレが意外と役立ちます。枝を折るときに、女王アリが枝が折れるときの反動で落ちてしまうことがあります。あらかじめビニールシートを引き、その上で枝を割れば女王アリが落ちていないかをパット見て確認することができます。

  • その他
  • 吸虫管やピンセット、金属製のヘラ(ナタの代用で)、スコップなどでしょうか。アリ採集の際には、ナタやナイフなどを使う場合もあるようですが、僕の採集では刃物は持ち歩かないようにしています。

    いざ、山へ!

    かなり前置きが長くなりましたが、山って自己責任とは言いつつ、万が一怪我や遭難なんかしたら他人に迷惑をかけてしまうのは確実なので、出来る限り最善を尽くして入山してほしいという想いで書いてみました。

    今回は、関東山地の標高1000m未満の山域で場所を選定しています。普段から登山で入山することが多い山域なので、「ココだな!」ってところで登山道が整備されている場所を選んでみました。注意してほしいのは、人工林(スギ、ヒノキなど)の山域は避けることです。低山だと、取り付きの地点は人工林の場合が多いので、ある程度の高度まで徒歩で登るか、走行可能な林道で自然林や混交林の地点まで向かうかになります。

    こんな感じの山
    と、途中でいい感じの竹が茂った場所があったので、途中で車を止めて枯竹を確認。このような場所では、ミカドオオアリやウメマツオオアリなどを採集することが出来るのですが…。ここでは採集することができず。

    階段のある登山道
    場所を変えてこんな感じの整備された山の道の枯れ枝を確認していきます。

    枯れ枝
    こんな枯れ枝を確認していきます。ポイントは、腐朽していない枝を選ぶことです。ボロボロになった枯れ枝には巣がありません。

    中に空洞がある枝
    ここで、空洞のある枝を発見!この枝のサイズ感と穴の感じはかなり怪しい…。で、よく見てみると…

    枝の中にいるアリ
    やっぱりいた!まず最初のアリを発見。これは何アリだろう。

    シリアゲアリのコロニー
    枝を叩いてみると、女王アリも入っていました!枝に巣を作るアリは、巣を複数の場所に分散させるサテライトコロニーをつくります。今回は一回で女王アリの入っている枝を見つけることができました!ラッキー!

    種類はシリアゲアリの一種です。まだ細かく見ていませんが、おそらくテラニシシリアゲアリだと思います。

    自然林を歩く

    ちょっと写真を取り忘れたのですが、日差しの当たりやすい南西斜面の自然林付近を確認していくと…

    枯れ枝にいた女王アリ
    枯れ枝を折っていくと、新女王アリを発見しました!

    シリアゲアリの女王
    シリアゲアリの女王のようです。この女王だけだと種類まではわからないので、この女王はコロニーにしてから確認するために持ち帰ります。

    シデの森
    シデの森。この日は午後から山に入ったのであまり時間をかけてアリの採集はできなかったのですが、このシデの森で大物を採集することができました!

    枯れ枝
    それがこの枝。

    ミカドオオアリのサテライト
    そこまで雰囲気を感じなかったのですが、割ってみるとミカドオオアリのサテライトがでてきました!ただしこのコロニーには女王はおらず、付近の枯れ枝も細かく見ていくことにします。このとき重要なのは、もしサテライトコロニーと同じ樹種の枯れ枝が付近にある場合は、その枝を優先して見ていくことです。コロニーとの遭遇率が上がりますよ!

    ミカドオオアリのサテライト
    すると、やっぱり同じ樹種の枯枝にもうひとつのサテライトコロニーを発見。

    ミカドオオアリの女王
    タッパーに落としてみると、やっぱり女王も落ちてきました!ミカドオオアリのコロニー採集は結構大変なので、嬉しいですね〜。そういえばミカドオオアリといえば竹に巣を作るイメージでしたが、シデなどの落葉広葉樹にも巣を作るんですね。知らなかった…。

    てな感じで、山でのアリ採集をしてきました。約3時間くらいで3コロニー。正直、篠竹やアジサイ採集のほうが断然量は取れますね。今回、初めて山の中にある無尽蔵の枯枝からアリ採集をしてみましたが、結構大変です!でも、探し当てる感覚は他の採集方法よりも魅力的ですね!相当打率が低いので、蟻が出てきたときの興奮度合いが全然違いますから。

    もう少し、巣になりやすい枝を見分けることが出来るようになると採集もはかどりそうですね。また時間があったら別の場所で採集をしてみようと思います!

    まとめ

    いかがでしたか?冬のアリ採集なんて何を言っているのか!と怒られそうですが、今回のレポートのように冬であっても確かにアリを採集することができます。この記事のような山の中でのアリ採集はちょっと道具などを揃えるのに大変な部分がありますが、アリ好きの方々が山を好きになるキッカケに、そして山好きの方々がアリを好きになるキッカケになることを願っています。
    また、今回ご紹介した採集方法以外に冬場の採集テクニックをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひコッソリ教えていただけると嬉しいです!

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