秋の狭山丘陵!蟻(アリ)の生息状況を大調査!

都心から近くにある大自然といえば、狭山丘陵ですよね!ここには多種多様な動植物が生息しており、蟻をはじめとする昆虫も非常に多くの種類が分布しています。
近年、公園内での動植物の採集が全面禁止になったこともあり、生態系の保全にもより力が入れられている気がします。

今回は、そんな秋の狭山丘陵をハイキングしながら、屋外で行動している蟻を観察してきましたのでレポートします!

蟻はまだ活動しているのか

アリに限らず昆虫全般に言えることですが、寒くなり始めると活動が極端に鈍りますよね。ですから、暖かい季節に比べると蟻の種類も少ないはずです。
そんな中、活動している蟻がどんな蟻なのかを見ていこうと思います。

日差しのない斜面はほとんどいない

日の当たらない斜面
歩いていると、日差しのない斜面では蟻が全くいませんでした。落ち葉などをめくるといるのかもしれませんが、無闇に林床を壊せませんから、表面に出てきている蟻だけを観察していきます。実は、狭山丘陵の暗い斜面は夏場も蟻が少ないのでそもそもって感じなんですけどね。

山腹の樹木にアリの行列

山腹
今回は土壌よりも樹上に多くの蟻が見られました。樹上営巣性のアリだけでなく、地中営巣性のアリも見られたので、アブラムシやカイガラムシの甘露を求めて蟻が樹木に上がってきているようです。

まずはハヤシクロヤマアリ

ハヤシクロヤマアリ
屋外ではゴールドっぽい色をしたお腹がとっても綺麗なヤマアリですね。平地に多いクロヤマアリより大きくてカッコいい…。

ハヤシクロヤマアリ
カイガラムシなどの甘露を求めているのでしょうか。

甘露をもらうハヤシクロヤマアリ
甘露をもらうハヤシクロヤマアリ。

アミメアリも活動中

同じ木に少数ながらアミメアリも活動していました。

アミメアリとハヤシクロヤマアリ
ハヤシクロヤマアリと一緒に甘露をもらうアミメアリ

アミメアリ
今回はこの木だけでアミメアリを確認しました。大移動中のコロニーは見られなかったので、秋以降は巣の移動は行わないのかもしれませんね。

アミメアリ
アミメアリって上からみるとお腹がまん丸ですが、横から見ると腹が下側に反っているのがわかりますね。

シリアゲアリも

シリアゲアリの一種
テラニシシリアゲアリでしょうか。こちらは単独で行動していました。樹上性のアリですね。

蟻がいる木、いない木が両極端

樹上のハヤシクロヤマアリ
観察していると、蟻がいる木には色々な種類のアリが見られるのですが、ほとんどの木はアリが全くいない木でした。エサがあるか無いかが重要なのかもしれませんね。

ケアリの一種

ケアリの一種
トビイロケアリなどが数カ所に見られました。ケアリの種類がよくわからず、ケアリの一種としております。

ケアリの一種

トビイロシワアリはどこにでもいる。

トビイロシワアリ
市街地で一番見かけるトビイロシワアリですが、秋の狭山丘陵にも普通に生息していました。ただし、林内に生息しているところは見られず、人工的な広場(タイル貼り)で確認することができたので、やっぱり人間の生活とトビイロシワアリは近いところにあるのが基本なのかもしれませんね。あまりにもありふれた種類なので普段は見過ごしがちですが、林内では必ずしも優先種というわけでは無いのかもしれません。

日中のキイロシリアゲアリ

キイロシリアゲアリ
かなり少数ですがキイロシリアゲアリも活動していました。普段は夜に活発な活動を見かけますが、日中も個別行動中の個体は見られますね。キイロシリアゲアリ自体が非常に小さな蟻なので、見落としているのかも知れませんが、それにしても今回はあまり見かけない蟻でした。

黄色い小さなもう一つの蟻

アメイロアリと思われる蟻
小さな黄色い蟻です。ちょっとボケてしまっていますがアメイロアリでしょうか。こちらも単独行動中でした。2mmほどのとても小さなアリのため単独行動の個体を見つけるのは至難の技ですね…。

ハリアリも活動

写真には撮っていませんが、ハリアリの一種、アギトアリも単独行動している個体を局所的に確認しました。南方のアリのイメージがありますが、アギトアリは意外と寒さに強いようですね。11月の冷える時期でも屋外活動をしていることはちょっとビックリではあります。

秋の狭山丘陵はアリの種類は少ない

2〜3時間散策しましたが、上記のアリが確認できた全てです。合計8種類ほどでしょうか。夏場に比べると非常に少ないですが、温度が低くなってからも活動的なアリが複数種いることが分かりますね!ムネアカオオアリやクシケアリなどの涼しい環境を好むアリも生息している狭山丘陵ですが、今回は見ることができませんでした。把握している生息箇所でも今回は見られなかったので、意外と早くに屋外活動を終了してしまうのかもしれません。

まとめ

狭山丘陵は超広大な自然が広がる丘陵地です。アリを始めとする昆虫が多く生息する、いわば生物の楽園のような空間ですよね。現在は公園内での採集は完全に禁止となっているため「観察」することを楽しむことができます。11月は狭山丘陵も紅葉のシーズンを迎えますので、紅葉狩りがてら、散策に足を運んでみてはいかがでしょうか?
※今回は、東京都側の狭山丘陵を散策しました。埼玉県側の森林もまた奥深さがありますので、来シーズンはそちらもレポートしていきます!

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事