皆さん、プロテインと聞いて何を思い浮かべますか?ですよね、アリのエサですよね。
やっぱり有名どころとえいえば、アントルームのアントサプリ。ですが、これは正確にはサプリですからアリのプロテインとはちょっと違います。実は、すごくマジなアリ用のプロテインがあるのです。それが「あり巣 in underground」さんで販売されているプロテインパウダーです。今回、あり巣さんにご了承いただき、プロテインパウダーの実力を確かめてみましたので、その結果と様子をレポートします!
目次
プロテインパウダーとは?
アリ専門ネットショップのあり巣 in undergroundさんのオリジナル粉末餌のことで、アリ専用のエサとして販売されています。まず、このプロテインパウダーのすごいところは味が3種類あるところでしょう。
- ミートパウダー
- フィッシュパウダー
- インセクトパウダー
上記3種類から好みのプロテインパウダーを選択することが可能!複数の選択肢の中から好みのエサを与えることができるのがめっちゃ良いですね。そして、パウダー状なので結構日持ちしそうなところもアリをたくさん飼育している人間からすると助かる点です。
左から、ミート、インセクト、フィッシュです。それぞれ色が異なります。
では、その3種類のエサをもう少し詳しく見ていきましょう。
プロテインミートパウダー
まずはミート。名前のとおりお肉をブレンドした高タンパクなパウダーに仕上がっています。脂質の少ないお肉を使用しているそうで、アリさんの体のことも考えた思いやりのありそうなエサです。
プロテインフィッシュパウダー
赤身、白身、青魚を複数種ブレンドしたエサとのこと。これを開封したとき、ゴクリとツバを飲み込んでしまうほど良い香りが部屋に広がります。魚といえば、生魚や魚粉をアリが好むのは有名ですから、このエサもすごく人気が出そうですよね。
プロテインインセクトパウダー
アリの好む昆虫を数種類ブレンドしたものがインセクトパウダーです。果たして何種類の昆虫が使われ、種類がなにかは不明ですがかなり気になります。(もちろん企業秘密ですよね!)
水を混ぜてアリに与える準備をしよう
このプロテインパウダーは水を含ませてからアリに与えます。ここで注意しなければならないのが、水で溶かすのではなく、水で練って団子状にすることです。
アリのエサは主に2種類あり、主に成虫が食べる「蜜エサ」と、幼虫が食べる「肉エサ」に分けられます。ということはプロテインパウダーはどちらかと言うと幼虫向けのエサだってことが分かりますよね。幼虫のエサは働きアリが巣に持ち帰りやすくなるように(アリの種類により多少異なります)、運びやすいように調整してあげる必要があるのです。
一度に水を入れすぎるとびちゃびちゃになってしまうので、1滴ずつ入れて様子をみながら調整します。
これだとちょっとびちゃびちゃです。もう少し固体感があって良いかもしれません。
今回はどのプロテインパウダーがエサとして人気かを調べるので、特注の細長い餌皿に3つの味を並べてみました。色が違うのでぱっと見て分かるので助かります。
プロテインパウダー選手権に参加したアリたち
クロヤマアリ
言わずとしれた日本最普通種に君臨する都市型アリ。都市空間に適応し、どこでも見ることができる日本の国蟻のような存在。アリ飼育者にも人気で飼育している方が多そうなのでクロヤマアリにまずは試してもらいます。
ミカドオオアリ
我が家の最大級のコロニーです。幼虫も多くいるのでタンパク源が必要なはずですので、食べてくれるでしょう!ちなみにミカドオオアリは夜行性のアリと言われており、普段の生活ではあまり見慣れない種類かもしれません。
ナワヨツボシオオアリ
いつの間にかコロニーが成長していたナワヨツボシオオアリ。このアリは比較的温暖な海岸沿いなどに分布するアリです。よく見ると腹部に四つの点があるのが特徴です。普段は昆虫を好んで食べるコロニーです。
アギトアリ
いただきもののアリですが、5匹から2匹に減ってしまいました。それでも女王1、働きアリ1で頑張ってくれています。このプロテインパウダーを食べてくれると良いのですが…。
ムネアカオオアリ
2年目コロニーですが、そこまで大きくないコロニーです。幼虫が沢山いるのでちょっと期待。
プロテインパウダーを投入!
ということで、それぞれのエサ場にプロテインパウダーを設置して様子を確認します!餌場には、プロテインパウダー以外にも蜜エサを常時いれているので、蜜エサとの競合についても確認ができるかもしれません。
入れてからの様子
ナワヨツボシオオアリ編
まずナワヨツボシオオアリですが、真っ先にプロテインパウダーに食いついてくれました。結構意外かも。このコロニーは卵、幼虫ともかなり多いためタンパク源がかなり必要と思われます。昆虫エサも頻繁に与えているのですが、すぐに無くなるほど調子がいいので、その流れでプロテインパウダーも気に入ってくれた様子ですね。
で、肝心のプロテインパウダーの好みはというと、「インセクト」に集中して集まっています。もともと昆虫を好むコロニーでしたが、そのアリたちにも認められたようですね!
ちなみにその後もインセクトが最も食いつきがよく、後からフィッシュも興味を示すようになりました。ミートは目もくれずって感じなので、我が家のナワヨツボシオオアリは「インセクト > フィッシュ >> ミート」という結果です。インセクト強し。
クロヤマアリ編
クロヤマアリは入れた瞬間からお祭りみたいな感じでかなりの食いつき。
我先にという感じで、働きアリは種類構わずエサを持ち運ぼうとしていたのですが、結局1種類に落ち着いたようです。それが「ミート」。さっきのナワヨツボシオオアリでは全く食べられなかったミートが真っ先に巣内に運び込まれました。
そのあとは、ミートが完全に無くなると、「インセクト」を食べ、意外にもフィッシュは不人気、という結果でした。種類やコロニーによって好みって全然違うんですね。まとめると、クロヤマアリは「ミート > インセクト > フィッシュ」の順でしょう。
ミカドオオアリ編
実はミカドオオアリにはエサ(蜜エサ)を与えた直後だったので、食べてくれるか心配でしたが、全然問題なく食べてくれました!
ミカドオオアリは上記2種とどう違うかな?なんて思っていると、「フィッシュ」がお気に入りの様子。
で、最終的にどうなったかを見てみると、真ん中のインセクトを除くフィッシュとミートがなくなっていました。ミカドオオアリの場合は、「フィッシュ > ミート >> インセクト」という結果です。
ムネアカオオアリ編
ムネアカオオアリはなかなか餌場にでてくることがなく、あまり活動的でなかった様子。
30分くらいでようやくエサ場に数匹出てくるようになりましたが、そこまで食いつきがいいようでもなさそう。
それから半日ほど様子を見ましたが、フィッシュとミートは場所を移動され捨てられているような感じです。インセクトだけ大事に少しずつ食べているんですかね?これまでのコロニーに比べると働きアリの数が少ない(30匹程度)ためイマイチ結果が分かりませんが、
「インセクト > ミート = フィッシュ」というのがこのコロニーの結果です。
アギトアリ編
こちらは期待を込めて与えてみましたが、結果的に食べませんね〜。入れてからほとんど様子が変わっていないのでダメでした。もしかすると好調なコロニーでは食べてくれるのかもしれませんが。これだとちょっと嗜好性はわからないですね。
結果
今回は5種類のアリのコロニーにプロテインパウダー3種を与えてみましたが、それぞれのコロニーで最も好むエサの種類がバラバラなのは驚きました。もっとも好まれるのは「これ!」みたいに結果発表したかったのですが、どれも1番好まれてるし、どれも苦手にされてるし、「とりあえず、プロテインパウダーを3種類ローテーションで与えれば、そのどれかは好んでくれるからOK!」というのが結果でしょうか??
「アリはエサに飽きる」なんて言われるように、アリのコロニーによってその時々の好みはあるのでしょう。ですから今回、一番気に入ってくれたプロテインパウダーが数日後は違う味のプロテインパウダーに変わってるかもしれません。ということは、このプロテインパウダーが3種類あるのは、意味があっての3種類なのでしょうね!
エサのバリエーションを増やすために導入するのもいいですし、アリの飽きに対応するために導入してもいいでしょう。他にも、昆虫をエサにするのは苦手という場合にも使えそうですね!少なくとも、私が飼育しているコロニーでは不調のアギトアリ以外は問題なく食いついてくれましたので、多くのアリも同様に好んで食べてくれるはずです。アリのエサのレシピでお悩みの皆さんも、プロテインパウダーを活用して餌やりのローテーションを増やしてみてはいかがでしょう?