【キイロシリアゲアリ】特徴や羽アリ、駆除対策方法、飼育方法などまとめ

キイロシリアゲアリという黄色くてとっても小さなアリをご存知ですか?

なかなか見かけることがないかも知れませんが、実はどこにでも生息している蟻です。普段は話題にならない種類のアリですが、一年のうちで一定の期間だけ話題になる季節性のアリとも言えます。この記事ではキイロシリアゲアリについて色々な視点から掘り下げていきます!

キイロシリアゲアリって?

キイロシリアゲアリとは、フタフシアリ亜科シリアゲアリ属のアリです。アリの中では小型の種類で、体長2〜3mmほどの大きさをしています。

名前の通り全体が黄色からオレンジ色をしており、美しいアリです。

シリアゲアリの名はその名の通り…

シリアゲアリ属に属するのですが、”シリアゲアリ”の名はその名の通り「お尻を上げる」特徴を持っているからです。外敵が近づいてきたときや危険が迫っているとき、お尻を上げる仕草はとっても可愛らしいですよ。

この時、お尻の先端にある”針”を敵に向けて蟻酸を飛ばしているそうです。やる事はしっかりやっているんですね。

キイロシリアゲアリ
ちなみに針とか蟻酸とか言われると怖そうですが、人間にはほとんど影響がないのでご安心を。

分布

北海道の一部から九州にかけて全国的に分布しています。沖縄には分布しておらず、奄美大島付近が分布の南限のようです。

森林や草原などから都市公園などにも生息しています。比較的よく見ることができる種類のアリですね。

ちなみに、普段はなかなか見ない種類のアリですが、夜になると屋外で良く見られます。夜行性という表現は聞いたことがないですが、感覚的に夜の方が見ることが多い気がします。

特徴

体色は黄色やオレンジで腹部はやや褐色を帯びます。働きアリは2〜3mm、女王アリは7mm、オスアリは2mmほどの大きさです。

キイロシリアゲアリ
専門的な方法でなくとも、キイロシリアゲアリの同定は比較的簡単に行えます。
まず、色と大きさ、生息地だけでも大半のアリの種類を振るい落とせるはずです。そして、そのアリを上から見たときに、お尻(腹部)が先端にかけて鋭く尖っているのがシリアゲアリの大きな特徴です。ハートのようなお腹の形をしています。
先端まで丸かったりするときは黄色くても他のアリでしょう。

より詳細を確認する場合は、日本産アリ類画像データベースなどで確認してみるといいですよ!

害虫としてのキイロシリアゲアリ

冒頭で季節性のアリと書いたのはこのことです。蟻好きの方々には気にならない部分だと思いますが、世間一般的には”不快害虫”として見られているのがキイロシリアゲアリなのです。

ここで間違えて欲しくないのは、キイロシリアゲアリは決して”害虫では無い”ということです。

人間に対しての毒はありませんし、衛生的に害があるわけでもありません。ですから無闇に殺虫する必要は決して無いのです。

なぜ、不快害虫なのか

そもそも不快害虫というのは、私たちが不快に感じる、又は心身にストレスを感じる虫に対して勝手に付けられた呼び名です。

キイロシリアゲアリの不快害虫の所以は、羽アリの屋内侵入にあります。羽アリが大量発生する時期が9月ごろと決まっているため、この時期だけ害虫として話題になってしまうんですね。

キイロシリアゲアリの羽アリ
アリと言ったら、「家の中に行列で入ってきて困る!」みたいなのがポピュラーですが、キイロシリアゲアリの場合は家に営巣しませんのでその心配もありません。ただ問題となるのは羽アリが家の中に入ってしまう事だけなのです。

キイロシリアゲアリの羽アリが家に入ってくる訳

蟻の羽アリは2種類あります。女王アリとオスアリです。女王アリは体長7mmと大きく家屋内に侵入されることはほぼありません。なのでオスアリが家の中に入ってくることになります。オスアリの体長は2mm 。わずかな隙間を見つけて簡単に家の中に入ってきてしまうんですね。

え、隙間って!?

主に入ってくる場所は網戸です。網戸のメッシュの間を通過してオスアリが入ってきます。しかも、光に誘引されるため、夕方以降に羽アリが発生するキイロシリアゲアリは煌々と照らされた人間の住む住宅に誤って入ってきてしまう可能性が他のアリに比べとても高いのです。

網戸をしているからといってアリの羽アリが入ってこられない訳では全くありません。この点も知っていただく必要があります。

羽アリが入ってこないようにしよう

羽アリが入ってきて家の中でウロウロされないように対策することが最大の対策です!繰り返しですが、キイロシリアゲアリは害虫ではないので無闇に殺す必要は全くありません。なので、入らないようにコチラが気をつけてあげることが大切な考え方ですよね。

1.網戸のメッシュをより細かくする

網戸のメッシュ幅は最低でも24。できれば30くらいあるといいですね。細かいメッシュを使うことで網戸から直接羽アリが入って来ることがなくなりますので大きな効果があります!

2.光の漏れをなくす

光に集まる羽アリには光を無くしてあげればいいのです!例えば遮光カーテンや雨戸を使って夜の光を外に漏れにくくする事ができます。

3.羽アリは害がないから放っておく

害はありませんので、放っておくのも一つです。とはいえ「虫が苦手!」という方も多いと思います。そういうときは、エアゾールの殺虫剤をスプレーすればすぐに駆除することができます。また、掃除機で吸ってしまえば簡単に駆除できますよ!個人的には、紛れ込んでしまった生き物ですから、できる限り殺さずに外に逃がしてあげてくださいね。

気をつける時期

羽アリを飛ばすシーズンだけが気をつける時期です。具体的には8月下旬から9月下旬ごろでしょう。九州など暖かい地域では8月中に飛び始め、徐々に北上していきます。東京では早くても8月末、9月初旬から中旬ごろがピークになりやすいです。

キイロシリアゲアリの飼育

キイロシリアゲアリの飼育
世間一般、害虫と言われるキイロシリアゲアリですが、実際には害虫でもなんでもありません。むしろ、アリ好きの方々には好まれるアリの一種なんです!

私もキイロシリアゲアリは飼育していますが、黄色の綺麗さだけでなくお尻の可愛らしさにメロメロです笑

キイロシリアゲアリの飼育については詳しくコチラにまとめていますので、飼育を考えている方は是非ご覧くださいね!

まとめ

キイロシリアゲアリはアリ好きには好かれ、虫嫌いには嫌われるアリです。嫌われる理由はありますが、人を刺したり衛生的に問題があるわけではありません。虫が苦手な人も、その点を十分に理解して対応していただきたいです。
アリ好きの立場で話をすると、飼育も楽だし女王アリも手に入れやすいし、良いとこばかりな蟻さんです。どうか、世間にも理解されるアリになる日が来ますように!!

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