アリの飼育元年といった感じの2019年。ついにマーケットが出来つつあるな!って感じがしてきましたね。そこで今回は気軽に購入してしまいがちなアリの購入について、1万円未満で買える種類の中から、よく考えた方がいいよ!ってアリやシロアリなどについて、私の主観ですがご紹介させていただきます。
※もちろん、必ずしもダメなわけではありませんが、簡単な飼育を想定していると後悔するかもしれない可能性があるって意味でランキングしてみましたのであしからず。
目次
アリの有翅女王
まずはこちら。種類問わず、女王アリの翅付き(羽アリ)は地雷です。詳しい方には「そんなの買わないに決まってる!」と叱られてしまいそうですが、ヤフオクでは翅付きの女王アリが販売されている事があるのです。
なぜ翅付きの女王アリがダメかというと、交尾していない可能性が高いからです。むしろ交尾していないでしょう。新女王アリは交尾後に翅を自ら切り落とす脱翅を行います。ですから翅付きの女王を買ったとしても卵は産みませんし、コロニーも誕生しません。ただ女王が息絶えるの待つだけというわけです。
なのにヤフオクではこのようなアリが販売されるることがあります。そして落札されていることもあるから、この問題の闇は深そうですよね。
※全ての方がアリのコロニー飼育を目的にしている訳ではありませんので、このような翅付き女王アリにも需要がある可能性もあります。ここではあくまで飼育の観点でお話ししております。
軽い気持ちで買ってはいけない度:★★★★★
イエシロアリ・ヤマトシロアリ
次に、ほぼほぼ後悔するのがシロアリの類です(※厳密にはシロアリは蟻ではありません)。購入できるシロアリは、「餌としてのシロアリ」か「飼育するシロアリ」の2つに区別できます。餌としてのシロアリであれば何ら問題はないのですが、飼育するシロアリは地雷であることが多いです。
ヤフオクやネットショップでよく販売されているのが、イエシロアリやヤマトシロアリの女王と王(卵や幼虫も)のセット。これらの地下シロアリについては、試験管にティッシュなどを入れてを飼育することで初期コロニーが安定しやすく、幼虫が誕生してから販売されることが多いです。
シロアリ自体は非常に弱い生き物で、コロニーも安定するまでに死んでしまうことが非常に多いですが、ある程度幼虫が誕生したコロニーは安定します。なので、そういう安定したコロニーであれば一定の期間飼育を楽しむ事ができるでしょう。
ただし!シロアリのコロニーを育てて大きくしようと思っている方は要注意です。同じくシロアリのコロニーを大きくしてアリや爬虫類などの餌としての利用を考えている場合も注意しましょう!
イエシロアリやヤマトシロアリなどの地下シロアリは女王アリの腹部が大きく発達し巨大なコロニーをつくります。しかしコレはあくまで自然でのお話。飼育下で女王アリの腹部が大きく成長し、自然界のような巨大コロニーにするのは専門家でも未だにできていないとか。
要は「簡単ではない」ということです。シロアリを簡単な気持ちで飼育しようと考えている場合は要注意。よく理解した上で購入を考えましょうね!
ちなみに、イエシロアリもヤマトシロアリも、初期コロニーの飼育はめっちゃ楽しいです。小さな幼虫たちが巣の中をせっせと働く姿がめちゃくちゃ可愛いですし、巣材を食べながら空間を広げていくのを見ているのも面白い。ですから、餌として増やすとか、巨大コロニーにするとかの目的でなければ悪くはないかもしれませんね。
軽い気持ちで買ってはいけない度:★★★★☆
アギトアリ
たびたび記事に登場するアギトアリ 。こちらも軽い気持ちで購入するのは考えものでしょう。フォルムが格好いいし、価格帯も3000円〜5000円くらいで手を出しやすい。となるとお手軽感がありますよね。
ですが、いろんな記事で言っている通りアギトアリはなかなか癖のあるアリです。飼育方法をよく調べつつ、自分でも上手に育てられるかを考慮した上で購入しましょう!
私個人的には、価格はリーズナブルなのである程度アリの飼育経験がある方はチャレンジしても良いかな?と思います。いきなりアギトアリに手を出すのはお金を無駄にしてしまう可能性が大きいので控えた方が無難です。
軽い気持ちで買ってはいけない度:★★★★☆
ヒメアリ
脱走といえばヒメアリ。このアリは飼育自体容易です。ですが、脱走の常習犯であることを知っておきましょう!とにかく小さなアリなので、隙間という隙間から脱走しまくります。しかも道しるべフェロモンを活用して行列を作りながら堂々と脱走する姿はヒメアリ飼育者なら1度は見た事があるはず(?)可愛いから憎めないんだけど、やっぱ飼育に人一倍手間がかかりますね。
エサの出し入れでもほぼ必ず脱走されますし、餌皿にくっついたまま出てきてしまうことも…。
餌やりのたびに数匹が犠牲になっているんじゃないか…と思ってしまうくらいシビアなアリです。
ただ、写真の通りめちゃくちゃキレイなアリなので一度は飼育してみてもいいかも?
軽い気持ちで買ってはいけない度:★★★☆☆
出品者、販売者が種類を特定できていないアリ
これは論外ですが、ヤフオクではよくある話です。種を断定していないならまだ良いですが、そもそも不明としていたり、種類が間違っている事もたまにあります。
アリの中にも販売や移動が制限されている種類がある以上、そこに責任を持っていない出品者のアリは購入してはなりません。
軽い気持ちで買ってはいけない度:★★★★★
まとめ
いかがでしたか?2019年に入りアリの流通が多くなっている気がします。色々なアリやシロアリが販売されるようになり、飼育者からするとありがたいことですが、その分購入するときに知識をつけておくおとも大切になってきました。
最初にご紹介した翅付き女王アリは知っていれば買うことは無いでしょうが、知らなかったらリーズナブルな値段から手が出てしまうかもしれません。また、アリのことをよく知らない出品者が同定せずに出品していることや働きアリだけを出品していることもあります。
ちょっと珍しそうだから、とか格安だから、などと買ってしまうと後々後悔することになりますので、十分注意しましょう!