発泡スチロールでアリを飼育できるのか?【かんたん実験】

アリ飼育に慣れてくると、いろいろな巣を使って飼育してみたくなるものです。私も「石膏巣」からスタートし、土、苔、木、アクリルなど色々と試してきました。
しかし、まだまだ試してみたい材質や形状のアリ飼育ケースは沢山あるのです。そこで今回は、その中のひとつ「発泡スチロール」でのアリ飼育を試してみようと思います!

発泡スチロールをアリ飼育に使う理由

「アリを発泡スチロールで飼育するメリットは何?」と問われても基本的に”あまり無い”です。むしろ、デメリットのほうが存在します。考えられるデメリットは観察できなくなる湿度が保てないゴミが出る、などなど不利なことが多く存在するのです。

ただ、発泡スチロール自体には利点も存在します。何かというと、保温性能乾燥状態を保てるアリが齧ることができる、などでしょう。

発泡スチロールの利点を活かす

ということで発泡スチロールを使うのであれば、その利点を上手く使えるようなものにする必要があります。そして、その利点に合致するアリの種類を選ぶことも重要です。
まず、アリの種類は乾燥状態を好むものを選ぶ必要があるでしょう。そして、保温性能を考えるなら”密閉できる容器”に発泡スチロールを入れると良さそうですよね!

使う容器と発泡スチロール

発泡スチロール
用意したのは普通の発泡スチロールです。机を買ったときに梱包材として一緒に入っていたものを使います。発泡スチロールと言っても色々種類がありますが、最もポピュラーな”ビーズ状”の発泡スチロールを使用します。
容器はいつも平型石膏飼育ケースで使用するスチロール角型ケース(SK-5)を流用します。

使用するアリ

ヤマヨツボシオオアリ
そして発泡スチロールの巣に入ってもらうアリはヤマヨツボシオオアリを使います。ヤマヨツボシオオアリは枯れ枝の中に巣を作るアリで乾燥した状態を好みます。発泡スチロールの乾燥状態は適していると言えるでしょう。

ただ、本来は「ヨツボシオオアリ」や「ミカドオオアリ」などの枯れ木の中に穴を作る種類の方がより適していると思います。発泡スチロールは柔らかいとはいえ、空間が用意されていないためアリたちが自分たちで穴を掘り空間を作る必要があるためです。その点、今回使用するヤマヨツボシオオアリは自然の中では中空の枝を巣にすることが多いため、発泡スチロールに巣を作ってくれるかが少々不安ではあります。

発泡スチロールアリ飼育ケースを作る

ケース
作ると言っても、ケースに発泡スチロールをピッタリはめればOKです。発泡スチロールのカットには「発泡スチロールカッター」か「カッター」を使います。

ただ、その前にケース側面に移動用の穴を開けておきましょう。ケースの穴あけについては下記記事内に掲載しておりますので合わせてご確認ください。

発泡スチロールアリ飼育ケース
ピッタリはめるだけなのでこれで準備完了です!

アリを入れてみよう!

アリ飼育容器
アリを入れれば完了なのですが、発泡スチロールケースにそのままアリを入れることはできないため、ケースに餌場を取り付けます。上写真の長細いケースがそれです。

エサ場をそのままの状態にしておくと乾燥しているため、乾燥を好むヤマヨツボシオオアリがエサ場で落ち着いてしまう可能性があります。そのため今回は敢えてスポンジなどをセットし多湿環境にします。想定では、ヤマヨツボシオオアリがエサ場の湿気を嫌い発泡スチロールケースに移動してくれるでしょう。

アリを入れる
アリを入れてしばらくした状態がこんな感じです。アリをエサ場に投入したらあとは放置。そのとき、発泡スチロール型アリ飼育ケースはアルミホイルで包み暗くしています。これはアリが暗い環境を好むためです。

アリを入れて1~2週間ほど経過すると

アリの飼育ケースの状態
上の写真がある程度経過した状態です。すでにエサ場にアリはおらず、ほとんどが発泡スチロールケースの中に入っているようです。

しかも、発泡スチロールケースとエサ場をつなぐチューブの入り口には発泡スチロールの残骸らしき粉が堆積しています。
そして、発泡スチロールケースを見てみると…。

穴を掘られた発泡スチロール
よく見てみると、白い発泡スチロールに小さな穴が数カ所開いているのが見えますね。

穿孔された発泡スチロール
拡大してみると…。ヤマヨツボシオオアリたちがせっせと穴を掘り進めている…!!

発泡スチロールとアリ
こちらはケースの裏側。裏側にも穴が到達し、巣の拡張が行われています。
ただ、まだまだ発泡スチロールのごく一部しか使われていないので、発泡スチロール全体が巣になるまでにはもっと時間が必要かもしれませんね。これから巣が成長していくのが楽しみです。

発泡スチロール蟻飼育ケースは使える?

さて、結果的には発泡スチロールでも何ら問題なくアリの巣になるのがわかりましたね!しかも結構面白い!

今まで、掘り進める系のアリの巣は、土やジェル、吸水スポンジ(オアシス)がありましたが、それに「発泡スチロール」が加わった感じでしょうか。しかも、乾燥飼育型の掘り進める系は発泡スチロール以外無いのでは?(もしかするとコルクがそうかな?)

やってみると結構面白かったのですが、この結果だけだとちょっと物足りない…!もっとガシガシ穴を開けてくれそうなアリで試したらどうなるか、やっぱり気になりませんか?
ということで、実は数日前から我が家のミカドオオアリでも発泡スチロール蟻飼育ケースを繋げてみました。

ミカドオオアリで挑戦
まだ、真っ白な発泡スチロールですが、これがどうなるかを経過観察していこうと思います。その後、この発泡スチロールケースがどうなったかは、また日を改めて記事にしようと思いますので、楽しみにお待ち下さい!

(▼これより下は追加記事です!)

ミカドオオアリに発泡スチロールケースを使ったらどうなった?

アリと発泡スチロール
あれから1ヶ月程度経ちました。果たして発泡スチロールのケースがどうなったのかというと、めっちゃ穿孔されて穴だらけになりました!!
まず上の写真は1日経過した地点での状態です。すでにミカドオオアリが発泡スチロールを掘り進めているのがわかると思います。

2日後

発泡スチロールに穴を開ける蟻
そして2日経過時点で広範囲に蟻たちの勢力が広がっています。すでに一部にアリが溜まっている状態…。

7日後

穴の開いた発泡スチロールと蟻
1週間経つと、ケースの表と裏をつなぐ通路がいたるところに構築され始めました。6,7箇所の穴が見えますね!
この様に観察してみると、大型のミカドオオアリでも巣内の通路の直径が5,6mm程度だということがわかります。チューブで内径6mmや8mm、10mmなどのサイズがありますが、意外と小さな直径のほうがリアルな巣に近いのかもしれません。

21日後

発泡スチロールが蟻の巣となる
そして3週間経過すると、巣としての完成形が見えてきたような感じです。アリが固まっているところは他よりも大きい空間となっており、部屋として使われ始めています。さらにこれから部屋が大きくなるか楽しみですね。

こんな感じで、大きなコロニーに発泡スチロールケースをつなげると1ヶ月足らずで発泡スチロールに穴を開けて巣が構築されるのがわかりました。毎日巣の形が変わるので観察が楽しいですね。
ただ、問題としては「ゴミ」が大量に出る!ことが挙げられます。ゴミ捨て場に大量の発泡スチロールカスが捨てられるので、日々のお掃除が大変です。
もしも、この発泡スチロール巣を試してみたい!という場合は、ゴミ問題があることも理解しつつ始めてみてくださいね〜。

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