クロナガアリ

ペットとしてのアリ飼育に興味があるけど、実は昆虫が苦手…。そういう方って意外と多いのです。でもアリはなんか興味があるし、可愛いから飼育してみたい、というお話も結構いただきます。そんな時に真っ先にお勧めしたいのがクロナガアリです。
今回はクロナガアリを飼育するメリットについてご説明していきます!

クロナガアリとは?

クロナガアリ
クロナガアリは草原や開けた公園、畑などに普通にみられるアリの一種です。もしかするとあなたも一度は見た事があるかもしれません。
外で見ると真っ黒なアリで、本当に黒一色に見えます。働きアリの大きさは5mm程度で、地上では単独で行動することが多く、他のアリに比べてゆっくりと歩く姿が特徴的です。

クロナガアリの生活を知ろう

クロナガアリは地中に巣を作るアリで、1年のうち4月〜5月ごろと9月〜12月ごろ(暖かい日なら冬季も)を中心に地表に姿を見せます。
4〜5月に地表に姿を出すのは結婚飛行を行うためです。(結構飛行とは、巣内に生まれた女王と雄の羽アリが外へ飛び立ち他の巣の羽アリとペアになり新たな巣を作ること)

種を運ぶクロナガアリ
9〜12月は、食糧であるイネ科の種子を収穫し、巣内に備蓄するために巣から積極的に出てくる季節です。特に10月〜11月ごろによくみられます。それ以外の時期は土の中に垂直に掘った巣の巣口を閉じて引きこもり生活を送っています

クロナガアリを飼育する最大のメリット

1 エサ として昆虫を用意する必要がない

普通、アリは蜜や小昆虫をエサにしますが、クロナガアリはイネ科植物の種子を主食にします。日本で植物の種子を餌にしているのはこのクロナガアリだけで、他のアリと大きく異なる点です。

クロナガアリ
そして、ここに最大のメリットがあります。それは「エサとして昆虫を用意する必要がない」ということです!
アリは大丈夫なんだけど、他の虫はダメ…。そんな方にこそクロナガアリはマッチするはず。

2 餌の管理が楽すぎる

なんと言っても、エサの種類が基本的にイネ科植物の種だけなので、他のアリに比べて格段に楽です。普通のアリだとメープルシロップにゼリー、小昆虫や赤虫、しゃけフレークなどなど、色々なエサを管理しなくてはなりません。種だけ用意しておけば大丈夫なのがクロナガアリの大きなメリットでしょう。

オヒシバ

イネ科の植物のタネとは?

では、植物のタネとはいえ、どんな種類の種子を食べているのでしょう?基本はイネ科の雑草の種子、たとえば「オヒシバ」、「カゼクサ」、「エノコログサ」などです。雑草としてどこにでも生えている植物ですからエサ集めには困らないでしょう。

クロナガアリを手に入れよう!

では、クロナガアリはどうやって手に入れればいいのでしょうか?方法は2つ。「女王アリを採集して1から飼育を始める」もう一つが「購入する」です。まずは簡単に始めたい!という場合は、クロナガアリのコロニーを購入するのがおすすめです。購入には、「アリ専門ネットショップ」や「ヤフオク!」を利用することになります。購入について詳しくはこちらの記事にまとめましたので、合わせてご覧ください。

クロナガアリを採集して1から始めるには

では、自力でクロナガアリを採集して飼育するにはどうすればいいかというと、働きアリではなく女王アリを採集する必要があります。なぜ女王アリなのかというと、ほとんどのアリに同様のことが言えますが、働きアリでは繁殖ができないからです。クロナガアリの女王アリは、先述のとおり4月から5月に結婚飛行を行うタイミングで採集ができます。クロナガアリの結婚飛行については個別記事にまとめましたので下記記事が参考になります。

クロナガアリの飼育方法

ここからは、クロナガアリを実際に飼育する方法をご説明していきます!餌以外は普通のアリとそこまで管理方法は変わりませんので難易度は高くありません。飼育するための飼育ケースや餌場、給水(保湿)などに気をつければ問題ないでしょう。

飼育ケースは?

土の中に巣を作る種類のアリのため、ある程度の湿度が必要です。ですから飼育は石膏巣がオススメ。実際の巣は土の中の巣は地中深くに掘り進められ、いくつもの部屋が設けられます。深くには種の貯蔵庫が、またあるところには幼虫や卵の部屋があったり…。ですから、スペースに余裕がある場合はケースをいくつか用意して複数の部屋を用意してあげても面白いでしょう。

飼育ケースの自作方法についてはこちらが参考になります。

エサ場を用意

アリの飼育ケース
また、飼育ケースの他に餌場が必要です(上記写真のアリはクロナガアリではありません)。餌となる種は定期的に与える必要があるため、種を置いておくための場所(自然界でいう地上)を用意します。下記の記事で餌場についてはご説明しております!

与える種子を用意しよう!

イネ科の種
クロナガアリに与える種はイネ科の雑草の種子ですが、実は結構小さいため自力で集めるのは非常に大変です。だから、私はこれを使うことが多いです。

セキセイインコのエサ
セキセイインコのエサ(皮付き種)です。アワやヒエの種なのですが、これもクロナガアリは食べてくれます。

パスタで代用する

パスタ
実は小麦粉が原料のパスタがエサの代用になります。パスタをかなり細かくカットしてそれを与えるだけです。スパゲティならどこの家庭にもありますからこの方法もおすすめです。ちなみに私の場合、鳥のエサが大量に余っているのであえてパスタを使うことはしておりません…。

クロナガアリ用のパスタ
クロナガアリは5mmと小さな昆虫ですから、与えるサイズもかなり小さくする必要があります。クロナガアリはエサをその場で解体するのではなく、巣にそのまま持ち帰る習性があります。なのでそのまま持ち運べるサイズにカットすると上手くいきます。

与えるエサの量

自然界では、クロナガアリの餌となる種子は秋にしか収穫できません。そのため10月〜12月を中心にクロナガアリは1年分のエサを巣に持ち帰ります。では、飼育下ではどのように管理すべきでしょうか。「一気にエサを与えて巣内に貯蔵してもらったほうが効率がいい。」と思われるかもしれませんが、それだとよくありません。

なぜかというと、湿潤した巣内に貯蔵している種が発芽するためです。自然界では種子が発芽しないような奥深くの貯蔵庫に種を貯蔵していると言われています(※諸説あります)。ですから1年分でも貯蔵しておけるのですが、飼育下でそのような対策は難しく、暗所で管理していても発芽することが多く、現実として一気にエサを与えるのは避けたほうがいいでしょう。

1回で食べ切れる量を入れる

そのため、種子のエサは1度に食べ切れる量を定期的に与えるのが一番いい方法となります。コロニーサイズや季節によって食べる量は変わりますが、何度か与える量を調整しながら自分のコロニーにあう量を把握していきましょう。

貯蔵庫を用意する方法も

ちなみに、石膏を流し入れていないケースをもう一つ準備し、そこに種を沢山入れて貯蔵庫として提供する方法もあります。ただし、クロナガアリが種を湿潤した石膏巣の部屋まで必要以上に運び込んでしまうことがあるので、意外と上手く機能しない場合もあります。

小昆虫を与えるときも

クロナガアリにたまに乾燥赤虫を与えると幼虫がよく成長する、という意見も聞かれます。私は赤虫を一度だけ与えたことがありますが、働きアリが複数死亡することがあったためそれ以降与えたことはありません。関連性は不明ですが、実際に与え過ぎは死亡の原因になるそうです。ただ、たまに極少量を与える程度なら与えても問題ないかもしれません。

まとめ

今回はクロナガアリの飼育をオススメする理由を解説していきましたが、その特徴はご理解いただけましたでしょうか?「植物の種子」だけで生きているアリがいることにびっくりされた方もいると思います。私も実はアリに興味を持ったとき、真っ先に「このアリがいいな」と思えたアリがこのクロナガアリでした。
初心者にも扱いやすいアリなのは間違いないので、最初の1コロニーに是非オススメですよ〜。

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