東京で1番見られるアリは?代表的な蟻4種類

アリって本当にどこにでもいますよね!公園にいるのはもちろん、道端でも当たり前のようにいますし、アスファルトを歩くアリだって見かけると思います。しかも、東京の都会にも普通にいますから、環境適応能力は昆虫の中でもかなり高レベルなのではないでしょうか。新宿や東京駅でも見かけますし、お台場にも普通に大きな黒いアリがいるのを見ると、私なんかは、「アリ強い・・・」と思ってしまいます。

では、東京で見られるアリの中で、特に見られるアリは何アリなのでしょうか?実は、普段から目につくアリの種類はそんなに多くありません。
ということで今回は、普段の私たちの生活で見ることの多い蟻トップ4をご紹介します!

4位 ケアリ亜属(主にトビイロケアリ)

トビイロケアリ
樹木のある場所、たとえば公園や生け垣などに多いアリがトビイロケアリです。たまに蟻が列をなして歩いているのを見ることがありますよね!もしかするとこのトビイロケアリかもしれません。大きさは中の下くらいの感覚ですが、実際には2.5mm〜3.5mmの大きさです。

ケアリの道

樹木に作られたケアリの通り道

「樹木や生け垣などの根元の土中」や「その周囲の朽木」に巣を作る種類で、よく観察していると周囲の樹木や植物にいるアブラムシに群がる(甘露をもらう)光景を見ることができます。また、樹木の表面にトンネルを作って移動する習性があります。

ケアリの道

苔の地面に作られたケアリの通り道

東京都内では都市公園やお庭で普通にみることができます。ただ、幹線道路沿いなど樹木の少ない場所では見かけることは少ないです。どの地域にもいるのは間違いないですが、私達が暮らす中で見かける可能性はこのあとご紹介するTOP3に比べるとやや低くなります。そのため4番目にトビイロケアリを選んでみました!

トビイロケアリのコロニー

トビイロケアリの女王と働きアリ

あと、トビイロケアリは小さなアリの中でも特に素早い動きをする蟻です。早足でデジタルな動きをする3mm程度のアリならトビイロケアリで間違いないでしょう!
※トビイロケアリは”ケアリ”の一種であり、似た種類のヒメトビイロケアリやハヤシケアリ、カワラケアリなどがいます。

 トビイロケアリ
体長:2.5〜3.5mm
主な生息環境:森林、庭、生垣など

3位 クロオオアリ

クロオオアリ
比較的開けた草地に多い日本最大のアリ。黒くてとても大きいので、意識していなくても目につくアリは、このクロオオアリかもしれません。
東京都内の公園や臨海部でも普通に見られますし、道端や歩道などを歩いている姿もよく見ますね!似たアリにクロヤマアリがいますが、こちらのクロオオアリの方が黒が強く、大きさも一回り大きいため区別がつきます。

ただ、どこにでもいる訳ではなく、「いる所には普通にいるしいない所にはいない」という表現が適当なアリでしょう。

クロオオアリの女王

クロオオアリの女王

トビイロケアリよりも順位を上にしたのは、”普段の生活での見る機会の多さ”や”気付きやすさ”で考えるとこちらのクロオオアリの方が上でしょうから3番目に選んでいます!

 クロオオアリ
体長:7~12mm

2位 トビイロシワアリ

トビイロシワアリ
公園や道端で、虫の死骸やお菓子の食べかすに群がる黒くて小さなアリはほとんどがこのトビイロシワアリでしょう。
林内よりも道路沿いや歩道、花壇などに必ずと言っていいほどいるアリ。
他のアリに比べて小さく細長いアリのため見分けがつきやすいです。あと、頭部の割合が他のアリよりも大きい見た目をしているのも特徴の一つです。黒さも黒光りをしているため覚えやすいアリでしょう。(※茶色を帯びるコロニーもいます)

主に公園や遊歩道、畑の土の中に巣を作ります。私的には春になると土から出てくる様子がなんとも可愛らしく感じてしまいます。

 トビイロシワアリ
体長:2.5mm

1位 クロヤマアリ

クロヤマアリの巣穴
キングオブ都市アント。クロヤマアリは誰がどう言おうと私の中で確実に1位ですね。
都市空間にも適応し、都心のビル街の歩道のコンクリートの継ぎ目や割れ目から土を掘り掘りしている姿を見かけます。
また、新たに整備された公園や緑地で真っ先に定着するのもクロヤマアリであることが多い気がします。

すでにご紹介した3種類のアリも都会で見かけるアリですが、クロヤマアリはその中でも

  • 「アスファルト上を歩くのをよく見かける」
  • 「中型〜大型なので目に付きやすい」
  • 「土に依存するので地面があれば生息している可能性が高い」

という点において他のアリよりも人に見られる可能性が高いです。こういう理由からクロヤマアリが東京で1番見られるアリでしょう!
もちろん、細かく分ければこの限りでは無いかもしれませんが、一般的な視点でみれば同じような結果になるはずです。

ちなみに、クロヤマアリは都会でも適応しているアリですが、もちろん自然の豊かな場所にも生息します。自然の多い場所では、開けた場所(日の当たる場所)や乾燥気味の土壌に巣があることが多く、森林の奥深くにいるアリではありません。このことからも、”都会の開けた環境に合っていた”という見方もできそうですね。

 クロヤマアリ
体長:4.5~6mm

東京は広い…地域によって色々なアリがいる!

ここまで、東京都で見ることの多いアリTOP4をご紹介しましたが、都内の平野部ではほとんど当てはまるでしょう。しかし、東京の全ての地域・環境でこの4種類のアリが優勢という訳ではありません。例えば、奥多摩の山中には、この4種以外のアリが沢山います。伊豆諸島や小笠原諸島も全く別のアリが沢山いるでしょう。それに、臨海部だけを切り取って見ても、「オオシワアリ」という外来種や「オオズアリ」という小型種が上記4種よりも見られる場所があるのも事実です。

皆さんがお住まいの地域でも、実はいろいろなアリが生息しています。普通に生活していると「トビイロケアリ」「クロオオアリ」「トビイロシワアリ」「クロヤマアリ」を見かけることがほとんどですが、それ以外のアリも意識して観察してみると意外と見つかるものです。これを期に、お住いの地域のアリがどれくらいいるのか、一度観察してみてはいががでしょうか。アリの目線で東京を見てみるのも楽しいですよ!

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