アリ飼育の注意点!家で飼育するとき気をつけることは?

「アリを飼育したい!でも注意点ってあるのかな?」そう思っている皆さんにアリ飼育の注意点を解説します。
アリ飼育は他のペットに比べハードルが低いためアリ飼育することが人気になっていますが、そうなると気軽にアリを飼育ができることだけが独り歩きしてしまっては問題です。実際には注意すべき点はいくつか存在します。
ということで、主に初めてアリを飼育しようと考えている初心者の方向けに「アリ飼育をするときの注意点」を解説していきます。

脱走に注意する

生き物を飼育する上で気をつけなければならない「脱走」。アリだって脱走します。むしろアリは他の”一般的な飼育生物”よりも小さな小さな昆虫です。ということは脱走されやすいペットと認識しておく必要があるでしょう。

アリを飼育する場所が「自分だけのワンルーム」なのか、「家族と暮らしている家」なのかでも、その意味合いは変わるはずです。一人だけの家なら狭い意味では問題ない(本来はダメ)ですが、”家族の全員がアリ飼育への理解者か”というのは確率としてかなり低いです。ですから家族と暮らしている方は脱走には本当に気をつけなければなりません。場合によってはアリ飼育を禁止されてしまうことも…。飼育する際は、脱走への管理を十分に気をつけましょう!

絶対に脱走させてはならない種類を考える

「1匹や2匹なら問題ないだろう」と考えているなら、アリ飼育はオススメできません。それにはいくつかの理由があります。

  • 家の中に巣を作られる可能性
  • 自分や他人が刺される可能性
  • 他の部屋への影響
  • 自然界への影響

これらについて一緒に考えてみましょう。

家の中に巣を作られる可能性

まず、考えられるのが自分の部屋や家自体に巣を作られてしまうことです。
「でも、アリって土の中に住んでるし脱走したら死んでしまうのでは?」と思われた方もいるかも知れません。ですが、それは半分正しく半分誤りです。
なぜかというと、アリの種類の中にも土に依存しないアリがいるからなのです。

例えば、樹木の中や枯れ枝の中、人工物の中に巣を作るアリがいます。具体的な種類を以下に挙げます。

主な種類
ルリアリ、ヒメアリ、テラニシシリアゲアリ、ハリブトシリアゲアリ、ムネボソアリ、ミカドオオアリ、ヨツボシオオアリ、ヤマヨツボシオオアリ、ナワヨツボシオオアリ、ウメマツオオアリ、イトウオオアリ、(樹上性でないが家に巣を作ることがあるアリ:トビイロケアリ、サクラアリ、オオシワアリ、オオズアリ、ムネアカオオアリ)

特にルリアリヒメアリはアリの中でも小型種で見つけることが困難です。もしも女王アリごと脱走されたら非常に厄介なため、絶対に脱走されない方法で飼育ができる環境が整っている方以外は手を出さない方が無難でしょう。

この2種類以外でも、上記に挙げたアリは乾燥にも比較的強いアリですから、家の隙間や壁内、冷蔵庫やオーディオ機器内などにも営巣される可能性があります。また、上表の最後に掲載したトビイロケアリやサクラアリ、オオシワアリ、オオズアリ、ムネアカオオアリなどは家の中でも湿気が比較的溜まりやすい空間に侵入されると営巣される危険性があります。これらの種類のアリも同様に注意が必要です。

自分や他人が刺される可能性

こちらは主にハリアリが該当します。アリの中でも毒針を持つ種類、例えばオオハリアリやトゲオオハリアリなどがアリ飼育の中では有名です。万一、これらのアリに脱走された場合、注意しなければならないのが、人への被害です。
「自分は刺されても構わない」と思っていても、万一自分以外の人間が自分の飼育しているアリに刺されてしまっては大変です。管理には十分に注意しましょう。ただし、これらのアリは脱走しても室内や家の中に巣をつくる可能性は低いため、人的な被害に対してだけ注意すれば大丈夫です。

アリ飼育で主に飼育されているハリアリ
オオハリアリ、トゲオオハリアリ、パラポネラ、クワガタアリなど

他の部屋への影響

間接的な問題になってきますが、万一脱走された上に建物内に営巣されてしまった場合のことを想定しましょう。その可能性は高くはありませんが、それが隣の部屋に影響を及ぼしてしまうとなると良くありません。可能性として考えられるのは、「壁内〜構造を伝って」や「床下〜床構造を伝って」、「ベランダなどを伝って」などが考えられます。特に木造家屋や鉄骨造などではアリが通るには十分すぎるほどの隙間があります。
最初に説明した「家の中に巣をつくられる可能性」のあるアリの飼育を考えている場合はこのような点も考慮しておくといいでしょう。

自然界への影響

外来種のアリが現在問題になっています。ヒアリアルゼンチンアリがそうです。この2種はすでに特定外来生物に指定されているため飼育することができません。
ただ、外来種のアリが飼育できないかというとそれは間違いです。実は結構の数が日本で飼育可能なのです。そして実際に飼育されています。

それらの外来種のアリの飼育は違法ではありませんから、飼育したいのであればそれは自由です。ただ、やはり元々日本にはいない種類のアリである以上、脱走させるのはNGですね。脱走と同様に、放虫(飼育放棄)もいけません。

同様に、在来種のアリであっても同じ考えを持つことが重要です。地域によりアリの生息が異なりますし、例え同じ種類のアリだとしても、地域が異なるのであれば脱走および放虫には十分注意するべきでしょう。

心得:脱走が心配なら「日本在来種の土中営巣種を選ぶ」

脱走はアリを飼育していればほぼ必ず経験するミスですが、単に脱走と言っても上記のような注意点が存在します。
初めてのアリ飼育で、「脱走が心配だし、刺されるのも嫌だ」というのであれば、日本在来種で刺さない土中営巣種を選ぶと良いでしょう。具体的には、クロオオアリ、クロヤマアリ、キイロシリアゲアリ、クロナガアリなどがおすすめです。

温度に注意する

アリは比較的環境の変化にも強い昆虫です。しかし、温度管理には注意しましょう。
ほぼすべてのアリは室温30℃を超えると調子を崩します。室温30℃は、夏場にエアコンをつけていないと簡単に超えてしまう温度です。家を留守にするときに30℃を超える室温になる可能性があるのであれば、エアコンを付けっぱなしにするなどの対策を考えておきましょう。

また、冬場は在来種(南西諸島を除く)であれば室温のままで問題ありません。自然界でアリは冬眠します。そのままの環境を維持すれば大丈夫です。
ただ、東南アジアや南西諸島のアリは冬も活動を続けますので加温する必要があります。

家族との理解について

また、ありがちな注意点として、自分が勝手にアリ飼育を始めたことに対して「家族からの理解が得られない」ということがありますので、その点に注意が必要です。
もしも、「家族が虫嫌い」であるなら、一応の理解や許可を得てからアリ飼育を始めるべきです。もしも、飼育しているアリが家庭の事情で飼えなくなってしまったら…、外にも逃がせませんし、譲る相手を探すのも大変です。飼育を始めるときの注意点として、家族と事前に話し合ってから始める、という意識が大切ですね。

まとめ

アリの飼育は非常に簡単ですが、注意点も少なからず存在します。
今回は、アリ飼育をするときの注意点を初心者の方々向けに3つご紹介させていただきました。どれも意識して考えないと忘れがちなポイントですから、十分に理解した上でアリの飼育を始めてみましょう!

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