夏に子どもと一緒に昆虫採集をする!なんて方はたくさんいると思います。では皆さんはどこで採集してますか?公園や雑木林や神社など、自然が豊かな場所で採集しているのではないでしょうか?
ですが、あなたが昆虫を採集している公園や雑木林、実は昆虫採集が禁止されているかもしれません。もちろん全ての公園で採集禁止という訳ではありませんが、禁止されている公園やエリアは意外と多いのです。
今回は東京都内で昆虫採集禁止の公園やエリアについてまとめました。この中には、法律や条例で決められているものから、利用マナーとして規定されているものまで含まれます。基本的には、下記に記載したエリアでは昆虫採集ができないと理解していただければと思います。
また、ここに記載していない公園以外にも、社寺や私有地など昆虫採集が禁止されている場合がありますので、その都度お調べになってから昆虫採集をしましょう!
目次
東京都で昆虫採集が禁止されている場所
早速、東京都内(島しょ部を除く)で昆虫採集が禁止されている場所をご紹介します。より重要な箇所から順にご説明していきます。
秩父多摩甲斐国立公園
東京都の山間部にある国立公園の一部地域は、法律により昆虫採集が禁止されています。完全に禁止されているのは、「特別保護地区」に区分されるエリアで、下記の2箇所です。
- 雲取山周辺
- 三頭山周辺(都民の森含む)
この地域では一切の動植物の採集が禁止となるので注意が必要です。また、特別保護地区以外の区域でも注意する点があります。それは、特別保護地区以外の特別地域「第一種特別地域、第二種特別地域、第三種特別地域」です。この場所では、木竹の損傷、土石の採取が禁止となっています。
私はアリの撮影のためアリ採集を行うことがありますが、その際に枯れ枝を割ったり土を掘ったりすることがあります。そのような採集を実施する場合、上記の第一種特別地域、第二種特別地域、第三種特別地域での昆虫採集は不可能です。
ただし、木竹を損傷させない、土石を採取しない場合は、昆虫採集が禁止となっていませんので、その点は十分に理解するべきでしょう。
秩父多摩甲斐国立公園のマップ
国営昭和記念公園
立川市にある国営の公園です。昆虫採集のイメージはあまり無いかもしれませんが、一切の動植物採集は禁止されています。
昭和記念公園のよくある質問へ
環境省管轄の国民公園
- 新宿御苑
- 北の丸公園
- 千鳥ヶ淵
- 皇居外苑
規約が厳しいため、みなさんもご存知かもしれませんが、新宿御苑など国民公園は一切の動植物採集が禁止です。虫かごや虫あみなども持ち込めません。
狭山丘陵【全域】※埼玉県側も含む
- 狭山公園(東村山市)
- 八国山緑地(東村山市)
- 東大和公園
- 野山北・六道山公園(武蔵村山市)
- 東大和狭山緑地
- 中藤公園(武蔵村山市)
主な公園を示しましたが、狭山丘陵周辺の公園は基本的に動植物採集が禁じられています。もちろん昆虫の採集もできませんのでご注意ください。また、南側の東京都側だけでなく埼玉県側についても同様に動植物の採集は禁止です。
※上野恩賜公園
過度な昆虫採集や商業的な採集は禁止されています。十分ご注意ください。ただし子どもの虫取り程度ならOKとの記載があります。
上野恩賜公園ルールへ
井の頭恩賜公園(武蔵野市)
武蔵野市吉祥寺駅からほど近い場所にある自然豊かな公園です。こちらも昆虫採集は禁止されています。
井の頭恩賜公園ルールへ
国立科学博物館附属自然教育園・庭園美術館(港区)
国の天然記念物および史跡に指定されている広大な緑地です。隣接する庭園美術館を含め、動植物の採集はできません。下記に続けて記載しますが、港区の公園の多くが昆虫採集禁止になっています。
附属自然教育園利用案内へ
旧芝離宮恩賜庭園(港区)
江戸初期の庭園として文化財保護法により名勝に指定されています。ホームページに動植物の採集禁止が明記されています。
旧芝離宮恩賜庭園利用のお願いへ
芝公園(港区)
東京タワーの隣、増上寺を囲うように環状の形をした公園です。日本で最も古い公園でもあります。ホームページに昆虫採集禁止が明記されています。
芝公園についてへ
有栖川宮記念公園(港区)
かつての有栖川宮御用地の跡地に作られた公園です。ホームページに昆虫採集禁止が明記されています。
有栖川宮記念公園ご利用案内へ
小石川植物園(文京区)
正式には東京大学大学院理学系研究科附属植物園と言い、東京大学の施設です。国指定名勝、史跡に指定されている歴史のある植物園でもあります。
小石川植物園利用案内へ
小峰公園(あきる野市)
秋川丘陵にある公園で、ハイキングやピクニックもできる自然に恵まれています。多様な動植物が生息しますが、採集は禁止です。採集の道具の持ち込みも禁止されています。
小峰公園についてへ
東京都東部7公園
アメニス東部地区グループが東京都から指定を受けて管理をしている7公園です。こちらのサイトにはルール・マナーとして「動植物をとらないで!」という注意書きがされているため、基本的に昆虫採集は禁止の方針と考えられます。下記7公園が対象です。
- 猿江恩賜公園(江東区)
- 亀戸中央公園(江東区)
- 大島小松川公園(江東区)
- 東綾瀬公園(足立区)
- 中川公園(足立区)
- 宇喜田公園(江戸川区)
- 尾久の原公園(荒川区)
むさしのの都立公園
西武・武蔵野パートナーズが東京都から指定を受けて管理をしている8公園です。ホームページには、「公園のいきものは大切にしてください。いきものをとったり、傷つけるのはやめましょう。」との公園ルールが表示されています。ルールレベルではありますが、多くの市民が利用する公園ですので、公園ルールに則って公園を利用すべきでしょう。
- 野川公園(調布市など)
- 浅間山公園(府中市)
- 六仙公園(東久留米市)
- 玉川上水緑道(福生市など)
- 武蔵野公園(小金井市など)
- 武蔵国分寺公園(国分寺市)
- 狭山境緑道(小平市など)
- 東伏見公園(西東京市)
多摩部の都立公園
西武・多摩部の公園パートナーズが東京都から指定を受けて管理している4公園です。主に八王子周辺の公園です。ホームページでは昆虫採集禁止が明記されていませんが、公式ブログ上に「都立公園での昆虫採集はご遠慮ください」
との記載があります。公園の方針と思われますので、下記公園での昆虫採集は控えた方がいいでしょう。
- 陵南公園(八王子市)
- 小宮公園(八王子市)
- 滝山公園(八王子市)
- 大戸緑地(町田市)
まとめ
確認をとったところ、上記公園・エリアは昆虫採集が禁止されています。場所によってはマナーレベルのものも含まれていますが、禁止されているのには必ず理由がありますので、公園等のルール・マナーを尊重すべきでしょう。
ここに含まれていない公園についても、「昆虫採集が可能」と明記している公園はありませんので、
もしも”子供の虫取り”を超える昆虫採集をお考えの場合は、事前に確認しておくことが賢明です。
どちらにしても、過度な採集は自然環境にとって良くありません。基本は「観察」「撮影」を前提に、採集する場合も、自分が飼育・管理できるだけ採集するように心がける必要があります。
あと、私が撮影で通っている狭山丘陵は全面的に昆虫採集禁止です。公園内での採集は通報に繋がりますので、絶対に採集しないよう十分に気をつけましょうね!