「蟻の飼育セットや飼育キットを探しています。できるなら、自作したいです!」
そういう方向けに、今回は100均のケースでつくるアリ用飼育セットをご紹介します!
しかも今回作るのは、新女王アリや初期コロニー向けのアリ飼育入門用の小型飼育セットです。初めてアリを飼育する方にもぜひオススメしたい飼育セット(飼育ケース)ですので、ぜひ参考にしてみてください♪
目次
初期のアリの飼育セットは小型が良い理由
アリの飼育セットや飼育ケースには大きなものやアリの巣型の立派なものがたくさんあります。市販されているものはどれも格好良くて、最初から大きな飼育セットを使いたくなりますよね。
ですが、実はこのように大きな飼育セットはアリの家族(コロニー)の規模が比較的大きな場合にしかオススメできません。
初期コロニーは小さい空間を好む
理由は、初期コロニーは総じて小さな空間(巣)を好むからです。
実際、自然界でも上の写真のように女王蟻と働きアリ数匹のコロニーは小さな空間を巣にしています。
ですから、飼育する場合も働きアリが少数の初期コロニーや新女王蟻だけの場合には、なるべく小さな飼育セットを使うのが良いのです。
今回の飼育セットも、このように小さなものです。初期コロニーや新女王アリの飼育用に最適ですよ♪
100均のケースで作る小型アリ飼育セットの作り方
それでは早速、飼育セットを作っていきましょう!
今回は飼育ケースは100均で揃えます。それ以外の材料はホームセンターでも調達可能なものとなります。
また、プラスチックに穴をあける工程があるため、どうしても穴あけ工具が必要です。当記事ではインパクトドライバー(電動ドリル)を使用してご説明していきますね。電動ドリルをお持ちでない方のために、ホームセンターでの工具レンタルについても記事中でご紹介しています。
用意する材料
100均で揃える材料
- クリップや画鋲が入っているケース(巣用)
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こちらのケースが今回メインで使用するケースです。画鋲やクリップが入っている透明ケースだけを使います。ちなみに、使ったのは小さい方の画鋲が入っていたケース。キャンドゥで購入しました。
- プラスチックケース(エサ場用)
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画像内右側のケースです。こちらはダイソーで販売されているプラスチックケース。100円で購入可能です。
このブログでも、以前から色々なアリ飼育ケースやエサ場として頻繁にご紹介しております。
ホームセンターなどで揃える材料
- 8mmのビニールチューブ
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チューブは巣とエサ場をつなげるときや給水穴に使います。外径8mmのチューブでほとんどのアリは通過できます。
私はいつもジョイフル本田(ホームセンター)で購入しています。ビニールチューブ内径6mmx外径8mm - 石膏
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ホームセンターで売られている石膏を使います。普通の焼石膏でOKです。私が今回使用した石膏は、家庭化学 石こう 2kgを使用しています。
- 割り箸やエンドキャップ
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割り箸は、給水穴に差し込むチューブの栓として使います。チューブ先端を封するのが目的なので、割り箸以外にもエンドキャップなどをお持ちの場合はそれを使ってOKです。割り箸
用意する道具・工具
ハサミはチューブやポリ袋のカットに使用するだけなので、家にあるもので大丈夫です。ポリ袋は石膏と水を混ぜ合わせるときに使います。
電動ドリルとアクリルビットはプラスチックケースの穴あけ用ですね。お持ちでない場合、新たに購入するのは大変かと思いますが、ホームセンターでは工具のレンタルを行っている場合が多いので、利用してみるのも一つの手です。
参考に、コーナンのレンタル工具ページのリンクを掲載します。ぜひ参考にしてみてください!
作り方・自作方法
では、ここからは実際の自作方法を説明していきます!
まずは穴をあける
電動ドリルを用意して、アクリルビットを取り付けましょう。
まずは、巣となる画鋲が入っていたケースの蓋に穴を開けます。
こんな感じで、隅っこに穴をあけると良いですね。この穴は給水穴として利用します。
次に、本体の側面に穴を開けます。こちらも上写真のように、隅っこみ開けます。
続いて、エサ場となるプラスチックケースにも穴を一箇所開けます。こちらは、写真の位置に開ける感じがいいですね。
アクリルビットを使うと、こんな感じで簡単に穴あけすることができます。
石膏を流す
まず、ケースにチューブを差し込んで栓をします。栓は、石膏が開けた穴から流れ出てしまうのを防ぐためのものです。
石膏はポリ袋に入れ、水を加え1分程度待ちます。
石膏の量は100gにしましたが、それでも十分すぎる量です。半分の50gでも足りると思います。
その後、手で石膏と水をしっかり混ぜ合わせます。力を入れすぎるとポリ袋が破れて大惨事なので、ゆっくり力を抜きながら混ぜましょう!
しっかり混ざったら、次にポリ袋の先端を少しだけカットします。生クリームを絞り出すときのようなイメージです。
そして、石膏をケースに流し込みます。
石膏は厚み1cm程度、たっぷり入れましょう!多く入れたほうが保水力が高くなり、巣内が乾燥しにくくなりますよ。
固まったらチューブを取り出し、形を整える
石膏を流し込み15分から30分もすればある程度石膏が固まってきます。
ケースを斜めにしても石膏の形が変わらなければ、チューブを外してしまいましょう!
次に、チューブ付近の形を整えます。このとき、石膏が柔らかいと上手く整えることができないため、まだ完全に固まっていない場合はしっかり固まるまで待ちます。
固まれば、形を整えましょう。この作業は必須ではありませんが、形が気になる場合は別途彫刻刀などを使って石膏の形を整えます。
今回はこのように形を整えてみました!
ちなみに、石膏を流してから1週間ほど自然乾燥させます。そのため、実際に使うのはその後になります。
キャップの作成
キャップは、巣の蓋に開けた給水穴に取り付けるために作ります。
このような形状をしたものです。基本的に、8mmの穴を塞げるものであれば何を使ってもOKです。
私の場合、通常はエンドキャップ(黒いキャップ)とチューブを組み合わせています。ただし、このようなキャップがない場合は、割り箸などでも代用可能です。
割り箸で代用する場合、若干チューブの内径よりも細いため、上写真のようにテープを巻いて若干太くします。
そして、チューブに割り箸を挿入し、先端1cmほどを残してカットします。
こちらが割り箸のキャップを蓋に装着したイメージです。見た目はあまり良くありませんが、実用性は十分ですね!
アリ飼育セットを組み立てる
石膏を流してから1週間ほど乾燥させ、完全に乾燥したら組み立ててみましょう!
完成したエサ場と巣。
これをチューブで接続させれば、もう完成ですね!すごく簡単!
100均でつくる蟻の飼育セットを作ってみた感想・課題点
今回は100均で購入可能なプラスチックケースを使用した、「小規模なコロニー向け」のアリの巣飼育セットを自作してみました!
画鋲のケースを使うという、普段の飼育ケースとは違う方向性で作ってみましたが、コンパクトでアリたちも好みそうな飼育セットが出来たのではないかな、と思っています。サイズも小型で可愛らしく、普通に飼育ケースとしてもオススメです。
ただ、多少の問題点も存在します。
例えば、ケースの蓋と本体の継ぎ目の部分の隙間です。
写真でもわかりにくいですが、ケース内側に商品ディスプレイ用の穴加工がもともと存在します。パット見たところは隙間が無いように見えるのですが、1mmもない程度の僅かな隙間があるようです。
そのため、ヒメアリなどの小型種の飼育にこのケースは向いていません。クロオオアリ、クロヤマアリの初期やケアリの仲間などへの使用がオススメですね。
とは言え、初期コロニーの飼育セットとしてはコスパもよく、100均で手に入れることができるケースを使っているため再現性も高いと思います。
個人的にもこのサイズ感のケースは使いみちが沢山あると思っていますので、最初のアリ飼育セット・飼育ケースとして、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです!
▼ほぼ全て100円ショップの材料でアリ飼育ケースを作ったときの記事