アリの試験管巣

試験管を使ったアリの飼育方法をご存知ですか?簡単に説明すると、試験管の中を適度に調湿させてアリを試験管内で飼育する方法です。
今まで当サイトではこの試験管巣を取り上げて来ませんでしたが、最近試験管の巣についてお問い合わせいただくこともあり、折角なので記事として公開させていただきます!

試験管巣の構造とは

試験管巣はアリの飼育方法として昔から使われてきた方法です。”小さな空間であること”や”省スペース性”、”作成の簡単さ”などから多くのアリ飼育者に現在もなお愛用されています。

試験管巣の構造
こちらがスタンダードなアリ飼育用の試験管巣です。底に水を入れ、綿で仕切りを作り試験管上部に空間を作ります。そこにアリを入れ、入り口に蓋をすれば完成です。見た目からも分かるように、とても簡単に作成することができるので自作のハードルも高くないのが良い点ですね。

試験管巣は2つの使い方がある

実は試験管巣には2つの使い方があります。自作するにしても、どんな使用方法を考えているかによって作り方が若干変わるので、この点はよく理解する必要があるでしょう。

1.新女王アリの初期巣として

先程ご紹介した写真の試験管巣がこのタイプです。女王アリを採集し、最初に飼育するためのケースとして試験管巣が適しています。女王アリは産卵から幼虫の世話、ワーカーの羽化まで巣の中で女王自ら行います。
ということは、空間が小さいことに加え蓋をしてしまう構造の試験管巣が相性が抜群なのです。その分、ワーカーが増えると空間的に狭くなるため平置きの石膏巣などに引っ越しさせる必要が出てきます。

2.コロニーの巣として

コロニー飼育で使用している試験管巣
もう一つが、大きなコロニーを飼育するための飼育ケースとして試験管が使われることがあります。この場合、試験管を複数組み合わせたり、チューブでエサ場を繋げたりと拡張性のある巣になる場合が多いですね。
上の写真は、ムネボソアリの大きなコロニーの飼育に試験管を使用している状態を写しています。試験管内にチューブと枯れ枝を繋げ、そこから外にエサ場やサテライトスペースを繋げています。このように自在に巣を拡張できるのも面白いですね。

市販されている試験管巣も

市販の試験管巣
また、コロニー飼育用には市販品も多く販売されています。上の試験管巣は、アクリルケースと試験管6本を組み合わせた大型飼育ケースです。大規模なコロニーをお持ちの場合は、このような市販の試験管巣を購入するのもおすすめです。

試験管巣を自作する方法

それでは、本題の試験管巣の自作についてご説明していきます!今回は、簡単な「新女王アリ用」と「コロニーにも使用できるバージョン」の2通りをザックリご紹介していきますね。

新女王アリ用試験管巣の作り方

用意するもの

用意するのはこの2つでOKです。私はコスパの良いプラスチック製の試験管を使用していますが、もちろんガラス製の試験管でも問題ありません。

作成の流れ

水を入れた試験管
まず、試験管に水を適量入れましょう。水道水の場合は一晩汲み置きしてから使うようにしましょう。ちなみに私は普段から飲料用の天然水(南アルプスの天然水)をアリ飼育に使っています。

脱脂綿をまるめる
次に脱脂綿を適量ちぎって丸めます。多すぎると試験管にスムーズに入りませんし、少なすぎると水が漏れてしまうので、綿の量を調整しながら入れるといいですよ♪

奥に綿を入れる
細長い棒で試験管の奥に脱脂綿を挿入します。このとき、力を入れても入らいない場合は入れすぎですので綿の量を調整しましょう。また、写真では試験管を横向きにして入れていますが、縦にして入れたほうが上手くいきやすいです。

試験管
上手くいくと水の部屋と空気の部屋を仕切ることができます。

蓋をする
試験管にできた空間に女王アリを入れます。この写真では小さなアメイロアリを入れています。
アリを入れたら、入り口を塞ぎましょう。試験管に蓋が付属しているならそれでOKですし、脱脂綿で蓋をしてもいいでしょう。今回は、メラミンスポンジで簡易的に蓋をします。新女王アリだと試験管内で落ち着くことが多いので、柔らかい素材でも脱走される危険性は低いんですよね。

と、こんな流れで試験管巣は完成です。本当に簡単に作れますので、新女王アリを安定化させるためのケースとして非常におすすめですね。

コロニーにも使用できる試験管巣の作り方

用意するもの

用意する道具

  • 穴あけ用の工具

▼穴あけ加工の方法は下記記事内に詳しく掲載しておりますので、分からない場合は合わせてご覧ください!

作成の流れ

基本的な流れは先程ご説明した新女王アリ用の試験管巣と変わりません。違うのは、入り口の加工方法だけです。

まず、用意するのは「蓋付きの試験管」です。

次に、新女王アリ用と同じ様に試験管に水と脱脂綿を入れます。

試験管巣
そして、蓋にチューブを通せるように穴を開け、チューブを通します。上の画像では、チューブの先端に蓋をしてアリが脱走しないようにしていますが、チューブを他の容器などと繋げてもOKです。

コロニー飼育で使用している試験管巣
実際に巣として使用すると、上図のようにチューブで試験管とエサ場などを接続することができるので、拡張性のあるアリ飼育が可能となります。

まとめ

今回はアリ飼育ケースとして最も簡易的な「試験管巣」の作り方をご説明してみました。材料さえ用意できれば最も簡単に作ることができるアリ飼育用巣だと思います。
また、林床性種(土中営巣種)だけでなく、上手く工夫・加工すれば樹上営巣種のアリにも使用することができます。もし、試験管の巣を作ってみたいな、と思われましたらぜひこの記事を参考にあなたオリジナルの試験管巣を作ってみてくださいね!

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