【ムネアカオオアリ】特徴や女王アリ、飼育方法まとめ

ムネアカオオアリはクロオオアリと並び日本で一番大きな蟻の一種です。この記事では、ムネアカオオアリについて、生態や特徴、飼育方法や家屋害虫としての考え方など、いろいろな視点から掘り下げてみます。ペットとしても人気のムネアカオオアリを詳しく掘り下げていきましょう!

ムネアカオオアリとは?

ムネアカオオアリは、ヤマアリ亜科オオアリ属のアリです。日本の山地帯で非常によく見ることができる大型のアリで、日本最大のアリの一種でもあります。体長は大型働き蟻(兵アリ・メジャーワーカー)で1.2cmほどになります。とはいえ、12mmのサイズの蟻はムネアカオオアリの中でも大きい個体なので、全てが12mmのアリというわけではありません。多くは7~9mmのマイナーワーカー(働き蟻)がコロニーの大部分を構成しています。

似た種類「クロオオアリ」との違い

姿や形、大きさのよく似るアリにクロオオアリがいます。ムネアカオオアリとの違いは何なのでしょうか。まず大きな違いに、色があります。これは流石に名前からしても分かりますよね!ムネアカオオアリは胸が赤褐色です。クロオオアリは全身黒色ですのですぐに見分けがつくはずです。また、生息環境でも違いがあります。

ムネアカオオアリの生息環境

ムネアカオオアリの生息地
主に山地の森林内に巣を作ります。その多くは朽木内の空洞に巣を作ることが多く、シロアリなどの木材穿孔昆虫が開けた空洞に巣を作ることが非常に多いです。初期コロニーでは新女王自らがコルクのように柔らかい腐朽木に巣穴を作り営巣することがあります。また、自然界では森林内の土中に巣を作る場合もあります。

クロオオアリの生息環境

裸地や道端などの開けた場所に巣を作ります。土中性で土に依存する種類です。基本は平野に多い種類ですが、開けて明るい場所であれば山地にも生息します。

ムネアカオオアリの階級

大型働き蟻(兵蟻・メジャーワーカー)

ムネアカオオアリの兵アリ
働きアリの中で一際目立つ大きな頭を持つ階級です。ぱっと見ると女王アリにも見える大きさで、10mmから12mmほどです。大きいのはサイズだけではなく、見た目からしてもカッコいいアリです。大型の獲物を運んだり、護衛的な役割をこなします。

小型働き蟻(マイナーワーカー)

ムネアカオオアリの働き蟻
7mm〜9mmほどの大きさをした小型働き蟻です。この階級がムネアカオオアリのコロニーを構成する主要の階級となります。これらの小型働き蟻が多数を占めるため、先にご紹介した大型働き蟻の大きさが際立っているんですね。メジャーワーカーに比べ頭部が小さいため簡単に区別がつきます。

女王アリ

ムネアカオオアリの女王アリ
ムネアカオオアリの女王アリは、約18mmと大型です。なんとなく20mmに達する個体もいるんじゃないか?と思うくらい大きいですよね。一つのコロニー(巣)には必ず1匹の女王がおり、熟成したコロニーでは女王は巣の中心で働き蟻に守られながら産卵に専念します。普段は外に出てくることがないので、女王アリを観察するのはとても難しいです。女王アリは最初羽がついていますが、交尾後に羽を切り落とし、新しいコロニーを作り始めます。

オスアリ

雄アリは成熟したコロニーで1年の一定期間だけ出現します。実は働き蟻は全てメスなのですが、メスだけでは生殖ができないため、新しい女王アリと交尾をするためのオスアリを作るのです。オスアリも新女王アリ同様に羽がついています。ただ、形態的には大きく異なり、雄アリは頭部や腹部が小さく、胸部だけが飛行のために発達しています。結婚飛行をおこなうためだけに特化した形をしています。

ムネアカオオアリの分布域

北海道から本州四国九州の丘陵地、山地帯〜亜高山帯に生息します。平地では珍しいアリですが、山地では良くみることができる普通種です。普段見ることがあまりないアリなので、登山のときやゴルフのとき、キャンプのときなど、大きくて赤いアリにびっくりされることがるかもしれません。でも、その場所では優先種であって、全然珍しくないアリなのです。

ムネアカオオアリの生活は?

まず、ムネアカオオアリは5月から6月に巣分かれのため新女王アリと雄アリの羽アリを飛ばします。2000mを超える亜高山帯では羽アリのシーズンは遅くなるため7~8月にずれ込みます。
特に雨上がりの晴れて蒸し暑く無風の日に、巣から多くの新女王アリと雄アリが飛び出して結婚飛行を行い、飛行中に交尾します。シーズン中の飛行日に運良く遭遇すると、多くの交尾済みの新女王アリを見ることができます。交尾を終えた新女王アリは自ら翅を切り落として、自分の巣として最適な場所を探し求めて地面をさまよいます。そこから運良く自らの巣を構築できた女王アリは小さな巣の中で産卵し、孵化した幼虫を自らの体内から栄養を口移しで与え世話します。1年目は、数匹から10数匹程度のコロニーを形成して冬を迎えます。

2年目には50匹を超える立派なコロニーになりますが、数百、数千匹のコロニーまで成熟するには更に数年必要になるようです。 また、働きアリの寿命は1年ほどですが、女王アリの寿命は10〜20年と言われています。アリのコロニーの寿命は一部の種類を除き女王アリの寿命と一致します。ということは、ムネアカオオアリのコロニーは10年以上という長い年月をかけて成長を続けていくのです。

ムネアカオオアリは家屋害虫になることも

実はムネアカオオアリは害虫としても有名です。どんな害虫なのかというと、「家屋害虫」だというのです。家屋害虫と言えば、シロアリやヒラタキクイムシ、ケブカシバンムシなどの木材を食べる昆虫が有名ですよね。これらの家屋害虫については住宅街でも発生することがあるため害虫として問題になることが多いのですが、このムネアカオオアリについては森林性のアリですから、住宅街などでは問題になることはほぼありまんせん。

ムネアカオオアリの被害が多いのは?

実は、ムネアカオオアリの家屋被害は森林の中にある「別荘」や「ログハウス」、「山小屋」などが中心です。ムネアカオオアリは腐朽した木材に巣を作る習性があります。もしも、ムネアカオオアリの生息地に建てられた建物に雨漏れなどがあると、木材が腐りムネアカオオアリが建物に住み着くことがあり得るのです。
とても大きなアリですので、気づく可能性が高いため建物への被害が大きくなることは少ないと思いますが、別荘などにしている建物では発見が遅れて木材への穿孔が拡大してしまう恐れもあります。

ムネアカオオアリは駆除するべき?

アリ専用の殺虫剤はホームセンターなどで沢山売られていますよね。でも、必ずしも「ムネアカオオアリ=害虫」ではありません。害虫として対応するべきなのは先述のとおり建物に巣を作られてしまう(木材に穴を開けられる)ときだけです。
山歩きやゴルフ、キャンプで見かけても駆除する必要は全くありません。ムネアカオオアリは毒針も毒も持っていないアリです。人に対しての害虫ではないのです。
もしも、あなたの家でムネアカオオアリが大発生しているのでしたら、駆除が必要となるでしょう。駆除について詳しくは下記記事にまとめております。

ムネアカオオアリの飼育について

日本でのアリ飼育はまだまだメジャーではありません。とはいえ、アリ飼育も以前に比べ徐々に人気が出てきているのも事実です!このムネアカオオアリについては、もしかすると日本で一番人気があるかもしれない種類です。やはりその理由は大きさと丈夫さに他ならないでしょう。私もムネアカオオアリを飼育していますが、飼育していて楽しいアリだなって感じています。

ムネアカオオアリの入手方法

ムネアカオオアリを飼育するのであれば、女王アリを手に入れる必要があります。一番ポピュラーな方法は、新女王の採集です。

新女王アリの採集

ムネアカオオアリの新女王
新女王は5月から6月(地域によっては7~8月)ごろ生息地で結婚飛行をおこない、新たな巣を作ります。結婚飛行をしてから巣を見つけるまでの間、新女王は林内をさまよい歩いているので、歩いているところを採集すればOKです。簡単ですが、結婚飛行が行われているタイミングで採集する必要があるため、そのめぐり合わせが難しいんですよね。もしも、シーズン中に見つけることができれば簡単に飼育を始めることができます。

1年目コロニーの採集

運良くコロニーの創設に成功した1年目のコロニーを採集する方法もあります。1年目のコロニーは女王アリを含めても数匹から10匹程度なので、コロニーも小さな枯れ枝にあることも多いです。どんな枯れ枝にコロニーがあるかを見分けるのが難しいところですが、それがわかれば最も簡単にコロニーを採集することができるでしょう。この方法はアリが冬眠している冬におこないます。

 大コロニー(ホスト)の採集はするべきではありません。若いコロニーの場合、巣同士が至近距離にあるためいずれ淘汰されます。しかし、根付いた大きなコロニーの場合、そのコロニーから新たな新女王アリを生み出だす重要なコロニーである場合が多いです。その土地の環境を荒らさないためにも大きな巣がありそうな丸太、倒木などはそのままの状態にしておくことが大切です。

インターネットでの購入

採集する方法をご紹介しましたが、最も簡単なのは購入することです。インターネットでは、ムネアカオオアリの「新女王アリ」が2500円〜4000円ほどで買うことができます。若いコロニーも3000円〜6000円ほどです。
購入方法については、下記記事にまとめています。

オススメの飼育ケース

女王アリを手にいてることができれば、次は飼育ケースの選定です。大型に分類される種類ですので、飼育ケースも比較的大きなのものを用意してあげる必要があります。オススメはAntroomさんの「アリマシーン」や、下記の「ハイブリッドネスト」でしょうか。

オススメの飼育ケースのレビュー記事

上記のケースは、どちらもアリの巣を再現しており、リアルな生活を観察できる優れたケースです。これらの巣に外径8mmのビニルチューブを接続して、餌場を付けて飼育します。長期飼育をする場合は「巣」と「餌場」は必ず別々に分けるようにしてくださいね。

また、100円ショップの材料で簡単な飼育ケースを自作することもできます!

餌は?

アリのエサ
ムネアカオオアリは基本的に甘いエサを好みます。例えば、メープルシロップ、はちみつ、ゼリーなどです。基本は甘い液体のエサを与えます。幼虫がいる場合は、タンパク質のエサも必要です。幼虫は蛹から成虫に変わる過程でタンパク源がとても重要な構成要素になるのです。例えば、ミルワーム、レッドローチ、ワラジムシなどの生きた昆虫のエサがオススメです。それ以外では、”クワガタ用の高タンパク質ゼリー”や”乾燥赤虫”、”魚粉”、”肉製品”などがあります。

アリのエサについて詳しくはこちら

その他の飼育ポイントについてはこちらにまとめました!

まとめ

日本最大のアリであるムネアカオオアリについてまとめてみましたが、いかがでしたか?色が赤いし、とても大きいし、名前を知らないとちょっと怖いアリに感じてしまうかもしれません。でも、実際は人への害は全く無いですし、よく観察すると非常に綺麗なアリであることも分かると思います。

アリ好きの間では人気の高いアリの代表なので、もしもムネアカオオアリを見かけた際はじっくり観察してみると面白いかもしれませんよ!もちろん初めてのアリ飼育がムネアカオオアリでも良いと思うので、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね!

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