ウノタワへ行こう!お手軽山登りで自然林に触れる

いろいろと山に登っていると、ピークハントにも飽きてくる…。そんなあなたにもオススメなのが、ウノタワ

山登りといえば、「〇〇山に行く!」みたいな登山が当たり前ですが、”尾瀬ヶ原を散策する”とか、”屋久島の縄文杉”など、山頂以外を目的とした山登りも少なからずあったりしますよね。そんななか、ちょっくら気が向いたから行こう!と思うと、意外といい場所が無いんです。

今回ご紹介する”ウノタワ”は、すっごく地味な存在。10年以上前、僕が学生の頃に登っていたときは、ネットで調べても詳細を掲載しているページなど無かった知る人ぞ知るエリアでした。ですが最近、何やらアニメか漫画か知りませんが、ウノタワが紹介されたらしく、ウノタワ周辺がざわついてる感じらしい。

しかも、この辺って僕のアリ観察スポットでもあるので、あまり人が多くなっても困るのですが、確かになかなかいい感じのロケーションなのです。誰かに紹介するほどの場所では無いけど、行くとそれなりに癒やされる。そんな場所が「ウノタワ」。毎月のように足を運ぶこの場所をせっかくなので皆さんにもご紹介しますね!

ウノタワとは

埼玉県飯能市と秩父市の境、奥武蔵にある標高1075mの稜線の鞍部です。武甲山から有間山にかけて南に伸びる稜線の縦走路上に位置しますが、ちょうどその中間地点にあるため登山者は多くありません。ウノタワの由来は後述しますが、”タワ”は峠やコルのことで、実際に稜線の鞍部に位置します。この山域では珍しく、稜線上の広い窪地となっており、苔が一面に茂る様子は神秘的です。また、新緑や秋の樹木の彩りも素晴らしく、隠れファンの多いスポットなんですよね。僕のそのうちの一人として、割りと昔から通っている山域です。

ウノタワの伝説

さて突然ですが、ウノタワには伝説があります。それがどんな伝説か、と言いますと、

 昔ここは大きな沼になっていて山の神様の化身の鵜が住んでいた。この鵜を猟師が誤って射ってしまい死なせてしまった。すると鵜もろとも沼は消滅してしまった。ウノタワの地名は鵜の田(ウノタ)から来たもので、地元の人にはいまだにウノタの名称で親しまれている。

なんだかワクワクしませんか??こんな伝説の地が埼玉の山奥にあるんです!!

ウノタワに行く最短ルート

ここからは、ウノタワへのルートをご説明していきますが、ウノタワへは様々なるルートで行くことができます。王道ルートは「浦山口駅〜武甲山〜大持山〜ウノタワ〜名郷」ですが、これだと6~7時間の長丁場です。ですから「名郷(バス停)〜ウノタワ」のルートにすれば片道2時間でウノタワに行くことができ最短ルートとなります!

車を使えばもっと早い

バス利用の場合、名郷バス停から横倉林道まで舗装された道をひたすら歩くことになります。しかし、車を使えば横倉林道の終点まで時短が可能。気軽に行くのであれば車を使わない手はありません。

ウノタワ登山口

ウノタワ登山口
ここがウノタワの登山口です。ここまで林道が続いており、車で上ってくることができます。

登山口の駐車スペース
林道の終点には車5台位が停められるスペースがあり、土日などは通常3,4台ほど駐車されていることが多いです。

登山開始!

ウノタワの入り口
沢沿いに登山道が整備されており、序盤は沢の音を聞きながら山歩きが楽しめます。入り口は人工林が右手にありますが、基本的にブナやシデの自然林に登山道があります。

5月は新緑の季節
登山したのが5月のはじめでしたので、新緑がきれいですね!

沢沿いから道がそれる
ある程度登ると、沢沿いの道から逸れて左側の谷沿いの急登が始まります。

苔の森林
一部ですが、苔むす場所も。こういうところは一年中湿度が高い証拠ですからアリもいそうです。

カタクリ
5月ですがカタクリの花も。この登山道は人が決して多くはないので、カタクリなどの貴重な植物も登山道上にチラホラ自生していますね。

ハシリドコロ
毒草ハシリドコロは最初から最後まで数多く…。

花が綺麗
ニリンソウも群生とまでは言えませんが、登山道上に多く咲いています。登山者密度の濃い山域では無いので道幅の広がりもなくいい状態なんですよ。こういうところがウノタワ登山をより良くしてるんでしょうね!

バイケイソウ
ウノタワに近くなってくるとバイケイソウも増えてきます。春山では目立つ存在。バイケイソウは高山に生えるコバイケイソウの低山種です。毒を持っており、こちらも食べると危険…。

ウノタワ付近
約1時間も歩くと、写真のような平らな地形に変わります。するとまもなくウノタワです。

ウノタワ到着

ウノタワの道標
ウノタワの真ん中には道標とウノタワの看板があります。この看板の周囲の地面には草が生い茂っていますよね。これ、草ではなく全て苔なんです…!苔の種類はわからないのですが、かなり長くて分厚い苔が一体に生えており、春先のこの時期はまだ休眠状態でした。梅雨から秋にかけては緑のきれいな苔の絨毯になって幻想的な雰囲気になります。

ウノタワ
ウノタワの全景。まだ稜線上には新芽の季節は来ておらず茶色い空間ですが、6月には濃い緑の空間になっているでしょう。

ウノタワの全景
稜線ルート側からのウノタワ。大きな広場みたいな感じになっています。

ウノタワを目的でこの稜線を歩いている人は恐らくほぼ居ないと思います。今回登ったのが日曜日だったのですが、かなり人がまばらでした。その分、ウノタワの不思議な雰囲気を独り占めできるのは、今も昔も変わらないんですね。良きことです。

大持山への稜線
ちなみに、ウノタワから大持山への稜線はすごく気持ちのいい稜線なので、せっかくここまで来たら歩いてみるのもよろしいかと。今回は、途中の横倉山まで行って折返してきました。

稜線からの風景
こんな景色も。

ツツジ
ミツバツツジのシーズンでした。新芽が出る前の茶色い風景を鮮やかにしてくれる存在ですね。

帰りは来た道を戻ります。往復2時間程度のお手軽山登りなので、行きも帰りもらくらく。手軽に静かな雰囲気の自然に触れたいときにいい場所かもしれません。

今回のウノタワ周辺でみられたアリ

この山域では、いろいろなアリが生息しています。この日はまだ涼しかったため見かけたアリの種類もそう多くはありませんでした。

登山口周辺

  • トビイロシワアリ
  • クロヤマアリ
  • トビイロケアリ
  • アシナガアリ
  • トゲズネハリアリ
  • アメイロアリ
  • アズマオオズアリ

稜線周辺

  • ハヤシクロヤマアリ
  • ムネアカオオアリ
  • テラニシシリアゲアリ

アメイロアリ

ハヤシクロヤマアリ

トゲズネハリアリ

アシナガアリ

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