アリの飼育に欠かせないのが、巣とエサ場を繋ぐチューブやパイプですよね。
でも、広く使われているのはビニールチューブではないでしょうか。「本当にチューブで正解なの?」「他に良いモノはないの?」と考えたことはありませんか?
実は接続する手段としてチューブ以外にもアクリルパイプという選択肢があるのです。今回は、このアクリルパイプとチューブ、アリを飼育するときにどっちを使うべきか、メリット、デメリットをご紹介しながら解説していきます!
目次
そもそもアリの飼育になぜ接続チューブが必要なの?
アリを飼育したことが無い方からすると、アリを飼育するなら「飼育ケースがあればいいじゃん!」と思われるかもしれません。しかし、実はアリの飼育には「アリの巣」と「エサ場」の2つのケースを組み合わせて使うことがほとんどです。
なぜかと言うと、アリの自然界での暮らしを思い出していただければ簡単に分かります。
自然界では、地中や樹木空洞内の密閉空間を巣にする一方、エサなどの狩りには地上など開放空間で行動しますよね。これをひとつのケースで完結させるのは意外と難しく、アリを飼育するときはアリの巣とエサ場の2つのケースを併用するのが一般的なのです。そして、この2つのケースを繋げるものが接続チューブになるのです。
アリの飼育方法について詳しくはこちら↓
ビニールチューブとアクリルパイプの違い
アリの巣(飼育ケース)とエサ場を繋げるために接続チューブが必要なのはお分かりいただけたと思います。
では、より一般的に使われるビニールチューブとアクリルパイプではどんな違いがあるのでしょうか。
形状の違いは?
上写真の左側がアクリルパイプ、右側がビニールチューブです。写真を見れば分かりますが、アクリルパイプは直線状なのに対しチューブは若干曲線状になっています。これは、チューブが元々円状に巻き取られているためで、曲線状のクセが厄介なところですね。
汎用性は?
ビニールチューブは柔らかい素材のため、伸縮性があります。これは大きなメリットですね。
というのも、ちょっと狭い穴やコネクタなどにも押し込めば挿入することができるからです。逆にアクリルパイプは硬質素材のため接続穴の径が一致しないと挿入することができません。
アリ飼育・管理のしやすさは?
まずは、下の写真を見てください。
これはビニールチューブで接続した飼育ケースです。ご覧のとおりチューブの柔らかさで片方のケースがグニャリと曲がっています。この様にチューブの柔らかさはケースを持ち運ぶときに欠点となります。持ち運ぶときは、両方のケースをしっかり持って運ばないとケースの重さでチューブが歪み、最悪外れてしまうことも考えられます。
では、アクリルパイプではどうなるかと言うと、
硬質素材のおかげで、片方のケースだけ持っても形状が変わることがありません。
これはかなりのメリットで、ケースの移動時にアリへのストレスを最小限にできることや、ケースから外れてしまう事故を防ぐことができます。
耐久性は?
ビニールチューブは柔らかい素材です。ここに利点がある一方、様々な欠点が存在します。その一つが耐久性です。
この写真は、アリに齧られてしまったチューブを写したものです。なんと、ビニールチューブはアリに突破されてしまう可能性があるのです…!
もちろん、すべての種類のアリがチューブを齧り突破する訳ではありませんが、ここは注意すべき点ですね。
私が経験したことがある種類をメモしておくと、
- ミカドオオアリ
- ムネアカオオアリ
- ウメマツオオアリ
過去にこれらのアリに脱走、または脱走未遂をされています。特徴は、樹木を巣とするアリである点でしょうか。私は上記3種のみでしか経験がありませんが、似た生態をもつアリなら十分にチューブを齧る可能性があると覚えておくべきでしょう。ちなみに、アクリルパイプで突破されたことはありません。
加工の容易さ
チューブはハサミで簡単にカットして使用することができる一方、アクリルパイプは”クラフトのこ”が必要です。その点、チューブのほうが圧倒的に加工が容易です。
ただし、クラフトのこさえあればアクリルパイプのカットも非常に簡単であることも事実。今現在、アクリルパイプを加工できる工具があるかを事前に確認しておけば、後で「加工できない!」と後悔することもなくなりますよ〜。
アリ飼育を考えた時のチューブ・パイプのメリット・デメリット
ここまで、ビニールチューブとアクリルパイプそれぞれの違いについてご紹介してきました。ここからは、より細かいメリットデメリットをまとめていきます。これを見ながら、自分にはどちらの接続チューブが合っているかを考えてみましょう!
ビニールチューブのメリット・デメリット
メリット
- 柔らかい素材だからやや狭い穴にも挿入できる
- T字・十字コネクタなどと接続できる
- 加工が容易(ハサミでカットできる)
- 安価
- 入手しやすい
デメリット
- アリに齧られ脱走される危険性がある
- 柔らかいのでチューブ単体でケースをホールドできない
- やや曲線状なので、接続時に歪みが生じる
- 湿気で素材が曇りやすく、見栄えが悪い
アクリルパイプのメリット・デメリット
メリット
- アリに齧られる心配がない
- 硬質素材なのでケース同士をしっかりホールドできる
- 何度も使いまわせる
- 直線状なのでキレイなレイアウトが可能
デメリット
- T字コネクタなどが使えない
- 伸縮性がないので穴の径の誤差がシビア(誤魔化せない)
- 市販の飼育ケースの接続穴に入らないことがある
- ケースの接続穴の高さがそれぞれ異なると片方のケースが浮く
- チューブより割高
- 売られている店が少ない
- 加工にはクラフトのこが必要
まとめ
今回は、アリ飼育をする際に必要なアクセサリのひとつ、接続チューブについて解説してみました。
通常はチューブを使うことがほとんどかと思いますが、もう一つの選択肢であるアクリルパイプにはチューブに無い大きな利点が存在します。
特に、「硬質素材」という点は、アリに齧られて脱走される心配が無いということと、接続するケース同士をガッチリ固定できるということにおいて圧倒的なメリットです。
私はビニールチューブもアクリルパイプもどちらも使っていますが、通常はチューブを、アリの種類やケースの種類によってはアクリルパイプを併用しています。決してどちらか一方だけに絞る必要は無いと思いますので、それぞれのメリットデメリットを理解しながら、最適な接続アクセサリを使ってみてくださいね!