トゲズネハリアリ

緊急事態宣言が発令される前の2020年4月最初の週。まだ寒さの残るいつもの山でアリの観察をしてきました。
この日以降遠出することもできず、基本的に家で過ごす日々が続いていますが、折角なので写真が古くなる前に公開させていただきます。

今回はいつもフィールドでメインカメラとして使用している「OLYMPUS Tough TG-5(TG-6)」で撮影した写真のみで記事をまとめます。大きなカメラやレンズ、ストロボを用意しなくても、OLYMPUSのTGシリーズがあればこのレベルのアリの写真を撮影することが可能です。

TG-5
アリの写真を撮りたいけど、大きなカメラはちょっと…と思っている方にもオススメできる小さなマクロカメラですので、どんな感じなのかイメージを掴む意味合いとしてもご覧いただければと思います。

また自宅待機の中、アリに飢えている皆様にちょっとだけでも満足していただければという思いで書いてみましたので、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。

まだ冬の気配残る山

山の風景
今回の山はとても良く通っているフィールドです。とはいえ、片道2時間。東京から自然豊かな場所に行こうとすると、それなりの時間を要します。

都心ではサクラも散り芽吹きの季節ですが、山はまだまだ冬の装いそのもの。ひんやりとした風が尾根を流れます。

そんな季節とはいえ、前回アリ観察をした3月上旬でも沢山のアリを見ることができましたし、今回も春を待ち望むアリたちを観察できるでしょう。前回は谷筋の場所を歩きましたが、今回は尾根筋のエリアを歩いてみます。

▼前回のアリ採集日記はこちら

倒木下のアリ

ケアリ
さすがにまだ、地上を歩くアリはなかなか観察することができません。まずは、倒木をひっくり返しながらどんなアリがいるかを見ていきます。
すると、まず最初に見ることができたのが”ケアリ”のコロニーでした。トビイロケアリのようですが、ここではケアリとしておきます。

ケアリのコロニー
非常に大きなコロニーで、倒木下から地中にかけて巣が構築されていました。
そして、よく観察すると何やら好蟻性生物もいくつか見られるコロニーのようです。

アリヅカコオロギ
好蟻性としてポピュラーなアリヅカコオロギ。あまり興味がないので種類がわかりませんが、巣内に数匹確認することができました。トビイロケアリのコロニーでは比較的見つけやすい昆虫かと思います。

ダニ
また、ダニの一種でしょうか。働きアリの脚に円盤状のものがくっついているのが観察できます。これと似たダニはトビイロシワアリで見たことがありますが、トビイロケアリでも同様のものが見られるのは知りませんでした。

30cmの石の下の巣

ハヤシクロヤマアリの巣
この巣は定期的に観察している巣です。ハヤシクロヤマアリの大コロニーの巣ですが、女王を見たことがありません。また、他のアリに比べヤマアリは逃げ足が早いため写真を撮る前に巣内に消えてしまいます。観察する側としてはちょっと困りものですが、観察するたびに石を持ち上げても必ずいるこのコロニーには愛着が湧いています。

ハヤシクロヤマアリ
かろうじて撮ることができた働きアリ。関東では丘陵地から標高1000mくらいの山地でよく見るヤマアリです。通常のクロヤマアリよりも大きく、スラッとした美しい体型の持ち主で、色も美しいアリです。女王アリとの縁がなく、飼育したことがありませんが、いつか飼育したいアリでもあります。

単独行動中のアリ

テラニシハリハリ
前回のアリ観察で初めて見ることができたテラニシハリアリを今回も見つけることができました。前回は谷筋の場所でしたが尾根沿いにも生息しているようです。
こちらではこの1個体だけしか見ることができず、コロニー自体は発見することができませんでしたが、今まで見つけられなかったアリでも一度見つけると意外とその後は簡単に見つかることってありますよね。テラニシハリハリもそんなアリなのかもしれません。

朽木の地中に巣を作るアリ

ムネアカオオアリ
ムネアカオオアリは今回、ここで今年始めて見ることができた種類です。いわゆる腐った倒木の更に下の土に埋没した丸太の中に巣がありました。

ムネアカオオアリ
かなり大規模なコロニーのようでしたが、今回は採集目的ではありませんので写真を数枚撮って元に戻します。
にしても、日本最大のアリだけあって見つけたときの大きさには毎回驚かされるアリですね。

ケアリの初期巣

ケアリのコロニー
15cmくらいの石をどけると、トビイロケアリの小さなコロニーが巣をつくっているところを観察できました。まだ働きアリも数匹のコロニー。昨年結婚飛行をした新しい女王の巣でしょう。今年はここから大規模なコロニーに発展する年になるのではないでしょうか。こちらもそっと元に戻します。

小さな石の下には

石
これくらいの大きさの石下には、都会でも馴染みのあるアリが巣を作っています。

トビイロシワアリ
トビイロシワアリはこのフィールドでも限られた場所でだけ観察することができます。都会では優先的な種類であっても、山では同じとは限らないのが面白いところですね。

アリでは無いアリ

シロアリ
アリを観察していると、必ず出てくるシロアリ。シロアリは名前こそ「アリ」ですが、実際にはゴキブリに近縁の昆虫です。ですが、アリと似た生態をもっているなど面白さのある生き物です。アリ好きとしてシロアリも何だかんだ気になる存在ですよね。ちなみにこのシロアリはヤマトシロアリです。

子育て中のハリアリ

トゲズネハリアリ
山のハリアリと言えばトゲズネハリアリです。今回も多くの場所で観察できましたが、ここでは初期の巣を観察することができました。

トゲズネハリアリ
巣は切り倒された丸太に小さく部屋が作られ、そこに女王アリと幼虫数匹が活動していました。トゲズネハリアリの初期巣では、女王アリ1匹がエサを取りに行きつつ幼虫を世話する、という活動をしているのでしょう。そのためにも、育児用の隔離された巣を設けているのかもしれませんね。

クサアリの活動開始

クサアリ
暖かくなる午後2時になると、地上にもちらほらヤマアリなどのアリの動きが目につくようになりました。同じ様に、尾根沿いのヒノキにも冬眠明けと思われるクサアリが活動を開始している様子でした。

クサアリ
クサアリについては全くわからないので、非常に興味のあるアリです。頻繁に訪れる場所のクサアリの種類を把握できればと思ったため、先日の記事でこのクサアリを同定してもらっています。結果は「クロクサアリ」とのことでしたが、今後もこのクサアリの巣を定期的に観察していこうと思います。

終わりに

尾根の道
現在の社会情勢に多くの方々が不安をお持ちかと思います。私もそうですが、なかなか自由に行動できない不自由さ、見えない怖さ、などなど、心身ともにストレスの溜まる状況かと思います。
これからまさにアリのシーズンになりますが、今年、少なとも宣言中は我慢をするべきでしょう。アリについては今年なくなるものではありません。また来年も再来年も同じ様にシーズンが巡ってきます。

誰とも接触しない行動だから、とは言っても、外に出る以上はリスクが伴います。私たち一人ひとりの行動がとっても大切ですから、皆さんと一緒にこの大事な期間を乗り切っていきましょう!!本当に早く収束することを願うばかりです。

今回使用したカメラと付属品

TG-5
▼カメラ本体(TG-5を使用。最新機種はTG-6)
OLYMPUS Tough TG-6

▼ディフューザー
OLYMPUS フラッシュディフューザー FD-1

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