小さな昆虫の撮影に必須のツインストロボ「KX-800」がすごい!

アリなどの小さくて素早い動きの昆虫は写真撮影が非常に難しい!そんな難しい問題を解決するマクロカメラとして、前回「OLYMPUS TG-5」をご紹介させていただきました。TG-5はコンパクトデジタルカメラなのにプロが撮ったかのようなアリの写真が撮れるカメラとして非常におすすめです。
ですが、やっぱり一眼レフなどの本格的なカメラに比べると、ピントの甘さやライティング、被写界深度などに多少の難があります。そこで今回は、どこにでもある一眼レフカメラを一瞬でプロの昆虫写真家が撮影したような美しい写真に仕上げてくれるスーパーツインストロボ「KX-800」をご紹介します!

LAOWA MACRO TWIN LITE KX-800とは?

外箱
まず、この”LAOWA KX-800とはなんぞや”という話ですが、小型昆虫の撮影者が愛用するLAOWAの最強のツインストロボのことです。アリマスターとしてクレイジージャーニーで有名なAntRoom代表の島田さんが、屋外などでの蟻撮影にキャノンの一眼レフカメラにKX-800を付けていらっしゃるのをご存知かもしれません。特徴はフレキシブルに可動する2つのストロボでしょう。これにより自由なライティングが可能となり、簡単に小さな被写体の撮影が行えます。

性能は?

ストロボの性能はGN(ガイドナンバー)58で接写用として十分な明るさです。フレキシブルアームの長さは48cmもあり、ライティングの自由度は他のストロボとはケタ違い。基本的にマニュアル発光なので全自動って訳にはいきませんが、設定通りに動くので逆に理解はしやすいかなと思います。

電源は電池式

KX-800の電池入れ
実は単3乾電池4本の電池式です。どこでも手に入りますので、フィールドで使うにはアリですよね。アルカリ乾電池を使うと、100回から1500回発光させることができます。また、乾電池を含めた重量は546g程度です。

私のストロボのセッティング


私はアリの撮影をメインにしています。アリって昆虫の中でもかなり小さい部類ですよね。しかも、めちゃくちゃ動きの速い生き物ですから、撮影はかなり困難なのです…。だからツインストロボは必須のオプションとなります!
ですが問題もあります。被写体にかなり近づいて撮影する特性上、不自然なライティングになったり、光沢のあるアリの腹部にストロボの形が写ってしまうのです…。

KX-800のセッティング
そこで必要なのがストロボの光を柔らかくするフィルターです。白い布やトレーシングペーパーを被写体と光源の間にかませることで、光を柔らかく、間接的な明かりに仕上げられます。かなり接近して撮影する場合は、こんな感じでの撮影がオススメです。

機材について

キヤノンやニコンなどのカメラと互換性がありますが、詳細は不明です。私のカメラはニコンの一眼レフのカメラですが問題なく使えているのでほとんどのカメラで使えるのではないでしょうか。私のカメラ構成ですが、

kx-800とNikond5000

こんな感じです。正直、カメラやレンズに全くこだわっておらず(高くて手が出ない)、手持ちのレンズだけでどうにかやり繰りしています。でも、KX-800を使えばこの機材でも十分いい感じに撮れちゃうんです!ちなみに、手持ちの「OLYMPUS OM-D E-M5 MK2」や、「RICOH GX200」 でも使用できました。

使用感

では、実際に撮影したらどんな感じになるか、見ていきましょう!まず、KX-800の機能ですが、本体背面には液晶パネルが付いており、左右のフラッシュ出力がぱっと見て分かるようになっています。

液晶画面
1/128から1/1まで8段階の調整が可能で、左右の明るさを簡単に変えることが可能です。

また、左右のフラッシュとは別に、フォーカス用のLED補助光ライトが装備されており、背面のボタンで8段階の明るさ調整をすることができます。

[box class="blue_box" title="フォーカスは基本的にマニュアル"] ちなみに、この手のマクロレンズおよびストロボ撮影ではAFでの撮影は厳しいため、MFで撮影することになります。その際にも、上述のLED補助光は撮影の助けになります。
[/box]

KX-800での撮影事例

ツヤクシケアリ
ツヤクシケアリの働き蟻

カラフトクロオオアリ
標高2000mの亜高山帯のカラフトクロオオアリ

アカヤマアリ
山中のアカヤマアリ

ヤマクロヤマアリ
ヤマクロヤマアリと獲物

白バックの撮影にも

ツヤクシケアリ
このような白バック撮影にもKX-800は相性が良いです。白バックでの撮影自体は、「止まっているところを撮影する難しさ」、「多少の画像加工が必要」などの難易度がありますが、撮れないわけではありません。

うまく撮影できない場合は
セッティングが上手くいかない、という場合は、マニュアルモード(M)にして、シャッタースピードは1/100〜1/200くらい、F値は極力絞る、できればISO感度も200以下に、あとはKX-800の光量を調整する、これで撮りやすくなるはずです。

KX-800の耐久性や故障

フレキシブルアームのツインストロボということで、形状が特殊なゆえ耐久性はどうなの?というところも気になると思います。要ともいえるアームについては、見た目以上にしっかりしており、すぐに壊れてしまいそうな感じはしません。他の方のレビューでもアームの故障について記載はほとんどありません。
ただ、故障については個体差があるようです。実は私が最初に購入したKX-800は、発光部分が最初から壊れており(ボックス内部で部品が外れている音がする)、片方のストロボしか発光しない個体でした。このような故障については1年保証で対応可能ですが、購入を検討している方は初期不良に注意が必要です。

《2019年9月14日:追記》
上記の故障から本体が修理(交換)され帰ってきました。が、今度はアームの不具合でアームの一部が破損しており片方のストロボが故障しておりました。そのため再度修理となってしまいました…。

KX-800はお得か

このストロボは、アリの撮影で非常に役立つのは間違いありません。ですが、ちょっとお高いのが少なからず問題になるはずです。現状、3万5000円前後するので、気軽に購入するのはちょっと難しいですよね。
結論から言ってしまうと、一眼レフカメラとマクロレンズを持っていて、アリなどの撮影が満足に撮れていないのであれば、絶対に買いです!このストロボがあるだけで撮影が相当に楽になりますし、これを使って撮影していると自分がスキルアップしている感を実感できると思います。

もし、一眼レフカメラを持っていないけど蟻を撮影したい!という方は、OLYMPUSのTGシリーズがおすすめです!

KX-800の詳細はこちら

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事