最近、気軽に飼育できる生き物として人気が出ているアリ(蟻)の飼育について、初めての方でもわかるようにまとめていきます!
「蟻がペットになるの?」そう思われた方、アリは飼育できる生き物として密かに人気なのです。
マニアックなアリ好きの方々から、手軽にアリを飼い始めた方まで、多くの方々にアリ飼育は支持されています。むしろ、クロオオアリを始めとする国産の普通種のアリ飼育は、「昆虫や爬虫類などの飼育に精通した人」よりも「ペット不可の賃貸アパートでも手軽に生き物を飼育したい!」という方々にも大人気なのです。
ということで、テレビなどでも話題のアリ飼育について、その方法を見ていきましょう!
目次
アリ飼育が誰にでもオススメできる理由
飼育できる生き物というと何を思い浮かべますか?犬、猫、小鳥…いろいろありますよね!どれも可愛いペットですが、結構そのハードルは高いものです。手軽なものとして、ハムスターなどのペットも大人気ですが、それに勝るとも劣らないレベルにあるのがアリ飼育なのです。
蟻を飼育するなんて何が面白いのか…。
そう思われるかもしれませんが、このページを見ているってことは、あなたも蟻に興味があるってことですよね?
アリは本当に手軽に、かつ飽きることなく飼育ができる超オススメな生き物なのです!
アリの飼育方法【アリを手に入れるための知識】
それでは早速、アリ飼育について解説させていただきます!
まずは、アリ飼育をするにあたり、「アリの入手方法」から「初心者にオススメの種類」などを網羅的に解説していきます。
どんなアリがいて、どれがオススメなのかを見ていきましょう!
アリを手に入れる方法は「購入」「採集」の2通り
アリを手に入れる方法は「自力で採集する方法」が蟻好きの人からすると当たり前ですが、「初めて蟻を飼育する」「ペットとしてアリを育てたい」という方には一気にハードルが上がってしまいますよね。
そこで、私は蟻を購入する方法をおすすめします。
びっくりされるかもしれませんが、アリはネットなどで購入することができるのです。その購入方法については下記の記事に詳しく書きました。
具体的には3通りの方法があります。
- アリ販売業者のサイトから購入する
- ヤフオク!で購入する
- 展示即売会で購入する
アリ販売専用サイトやヤフオク!などのオークションサイトでアリを簡単に購入することができます。アリ飼育を始めよう!と思われている方はぜひチェックしてみてくださいね!
ちなみに、アリを自力で採集したい!という方は、吸虫管というアリ採集の秘密兵器を使いましょう!簡単な自作方法をご紹介しますので、自力採集に興味がある方は参考にしてみてくださいね!
また、女王アリを採集してアリ飼育を始める場合は、女王アリを採集して飼育する方法に詳しくまとめました!
それでは、まずは初心者におすすめのアリの種類をご紹介します!
はじめてのアリ飼育にオススメなのは「コロニー」
購入できるアリは「女王アリだけ」と、「女王アリと働きアリのコロニー」の2通りがあります。
安いのは「女王アリだけ」ですが、難易度は「女王アリと働きアリのコロニー」のほうが低いです。コロニーとは”一つの巣の中の集団”のことで「アリの家族」のようなものです。
既に家族が出来上がっていたほうが飼育も安定しやすく最初の1種類におすすめです。
「「新女王アリ」と「コロニー」最初に蟻を飼育するならどっち?」こちらの記事では、初めてアリを飼育するあなたに向けて私の考えを書いています。新女王アリから飼育を始めるか、コロニーから飼育を始めるか悩まれている場合は参考にしてみてください。
アリ飼育は「加湿飼育」と「乾燥飼育」の2つに分けられる
アリの飼育は大きく分けると2種類に分けられます。「加湿飼育」と「乾燥飼育」です。
アリは巣を作る場所によって生活環境が異なります。
例えば、土の中や朽木に巣を作るアリは適度な湿度が必要です。逆に、樹木の枯れ枝や樹木の洞内に暮らすアリは湿気を嫌います。より乾燥した状態を好むのです。
ですから、欲しいアリの種類が「加湿飼育」に適しているのか、「乾燥飼育」に適しているのかを購入前に知る必要があります。これを知らないと、「上手く育てられない…」などの原因となってしまうでしょう。
加湿飼育でオススメのアリ
クロオオアリ
日本最大のアリ。初めて飼うならまずオススメしたいのがクロオオアリ。
とにかく黒くて大きなアリです。このアリは5月から6月が繁殖期なので、購入できるのもその時期が中心となります。クロオオアリは初年度こそ10匹から数十匹くらいのコロニーで越冬しますが、2年目になると数十から100匹を超えるコロニーになり巣の成長が楽しめるアリです。
単純に大きいってところが見ていて楽しいアリですよ。5月から8月くらいに購入を検討しているなら、アリの販売サイトでの取扱があると思いますので最有力候補として考えてみてください!
クロオオアリについて詳しくはこちらで解説しております!
ムネアカオオアリ
クロオオアリ同様に飼育しやすいアリです。こちらも日本最大級の大きさのアリ。クロオオアリとの違いは胸の色が赤いところです。
クロオオアリよりも涼しい環境で生活している種類のため、飼育難易度はクロオオアリより高くなりますが、アリ全体で見れば丈夫で飼育難易度の低い種類です!ムネアカオオアリも6月から8月ごろに販売サイトで取扱があるのでその時期に購入を検討中ならオススメです。
ムネアカオオアリについて気になった方は専用記事を書いております。こちらも合わせてご覧ください。
トビイロケアリ
とにかく丈夫で飼育難易度が低いアリがトビイロケアリ。7月が繁殖期のアリで、毎年7月以降に市場に出回るアリです。
女王アリが1年目から卵を大量に産むため、1年目で巨大なコロニーを構築させることが可能です。上の2種類に比べると小さいアリですが、すばしっこい動きが可愛らしく人気のアリの一つです。販売価格が安いのも魅力の一つですね!
キイロシリアゲアリ
私の好きなアリの一つがキイロシリアゲアリ。
このアリは小型種のため迫力はありません。でも、女王の丈夫さや餌の選択性のなさ(なんでも食べてくれる)が魅力です。
そして、上記のアリとは違う黄色いフォルムが飼育していて宝石のような美しさで大きな魅力といえますね!しかも、どのアリよりも安いので迷ったらキイロシリアゲアリで間違いないでしょう。ちなみに9月以降がキイロシリアゲアリが市場に出回る時期です。
キイロシリアゲアリについて詳しくは、専門記事を書きました。こちらもご覧ください。
乾燥飼育でオススメのアリ
ミカドオオアリ
乾燥飼育が向いている日本産アリの中では大型の種類です。良い名前のアリですよね。飼育難易度も低く、乾燥飼育でもオススメの種類です。
夜行性と言われていますので、他のアリよりも明かりなどの管理に気をつけたほうが良いでしょう。
ミカドオオアリについても「専門記事」を書きました!合わせてご覧ください!
ウメマツオオアリ亜属
ミカドオオアリよりも小さいオオアリですが、乾燥飼育のアリとしては初心者にオススメです。
ウメマツオオアリやナワヨツボシオオアリ、ヤマヨツボシオオアリ、イトウオオアリなどがその代表で、最近ではネットショップなどでも購入することができるようになっています。
その他
今回ご紹介したアリ以外にも、オススメのアリはたくさんあります。
たとえば、加湿飼育種では「トビイロシワアリ」「クロヤマアリ」「クロナガアリ」、乾燥飼育種では「ムネボソアリ」や「ヨツボシオオアリ」でしょうか。
アリを飼育するなら、まずこの辺りのアリを購入するのがおすすめですよ!ちなみに、「パラポネラ」や「クワガタアリ」「トゲアリ」「ヨコヅナアリ」「アギトアリ」などはカッコいいのですが、飼育は難しいので初めての場合は避けたほうが無難です。
アリの飼育難易度
アリの種類ごとの飼育難易度をまとめました!完全に個人的な感覚なのであしからず。
- 容易
- クロオオアリ、ムネアカオオアリ、ミカドオオアリ、トビイロケアリ、キイロシリアゲアリ、クロヤマアリ、オオズアリ、など
- 普通
- トビイロシワアリ、クロナガアリ、アズマオオズアリ、オオハリアリ、ヒメアリ、など
- 難しい
- アギトアリ、クワガタアリ、サシハリアリ、トゲアリ、アミメアリ、アメイロケアリ、クロクサアリなど
アリの飼育方法【必要な道具】
アリだけ買っても良いのですが、同時に飼育に便利な道具を揃えておきましょう!
アリは体の大きさだけで考えると短命に見えますが、女王は10年も生きる長寿の昆虫です。働きアリも1年〜2年ほどの寿命があるので、長期戦になる飼育を覚悟してくださいね!その際に、飼育用品がしっかり揃っているか揃っていないかでは、飼育管理の楽さ、楽しさも変わってくるはずです。
アリ飼育で用意すべき道具一覧
用意したいのは上記ですね!それぞれの使い方をご説明していきます。
【加湿飼育用】アリ飼育ケース
初めて飼育する加湿飼育向きのアリなら「石膏の平面ケース」がオススメ。
石膏を敷いた飼育ケースの使用方法は、石膏に水を給水させて(保湿させて)使います。イメージとして、土の中の湿度が保てるような状態にすることができる訳ですね。
また、アリの巣型飼育ケースに憧れますが、これはコロニー(巣)がある程度大きくなってからがおすすめです。2年目以降に導入を考えてみてください!また、個人的に平型ケースをおすすめする理由は、”観察しやすい”ところもありますね。
これが平型飼育ケース。このページでは、平型飼育ケースの作成方法をご紹介しています。こちらも参考になります!
YouTubeの動画などで、水色のジェルが入ったアリの巣が紹介されています。
実はこの飼育方法ではアリを長く飼育することができません。あくまで一時的にアリが穴を掘る様子を観察するためのものなのです。
ちゃんとアリを飼育するのでしたら、今回ご紹介するような石膏巣や試験管巣で飼育するようにしましょう!
【乾燥飼育用】アリ飼育ケース
乾燥飼育に適したアリの飼育をするなら、「石膏巣」や「試験管巣」、「アクリル巣」、「木製巣」、「プラスチック巣」がおすすめです。オススメ度合いは「石膏巣=プラスチック巣=試験管巣=アクリル巣=木製巣」といった感じで基本的に加水しなければどれも同じです。
この中でも木製の巣は他の巣よりもコストがかかるため、一番最初に飼育するなら石膏巣や試験管巣、プラスチック系の巣でも十分です。
▼私が飼育中のアリをご紹介しています。アリの巣の写真をみるならこちらを参考に
エサ場
飼育ケースに接続させてエサ場として使用します。飼育ケースだけだとエサを与えることが難しいので、必ずエサ場を用意しましょう!上の写真は餌場と飼育ケースをつなげた状態です。
・アリの巣のエサ場ってどれがいい?私が使っているエサ場を公開!
チューブ
チューブはエサ場と飼育ケースをつなぐ通路として使います。エサ場をネットで購入するとチューブも同梱されている場合が多いですよ!
▼私が使っているチューブと同じ直径のビニールチューブ
ビニールチューブ8mm
ちなみに、チューブの他にアクリルパイプを使う方法もあります。
チューブとアクリルパイプの違いについては、専用の記事を書きましたので、合わせてご覧ください!
餌皿・水皿
餌場にエサを直接置いてしまうと汚れてしまいますので、餌皿を用意してエサの管理をすると巣や餌場を清潔に保つことができます!
アリ専用の餌皿はなかなかありませんので、ペットボトルの蓋を使ったり、ビニールチューブを縦に3等分して簡易的な餌皿をつくることもできます。
餌皿についても詳細記事を書きました!
・使い捨てできるアリのエサ皿を作ろう!
シリンジ
加湿飼育用の飼育ケースには保湿用で石膏が敷いてあります。この石膏に水分を補給するための道具として使います!
湿気を好む蟻の飼育は湿度が大切です。
飼育ケースは乾燥しないようにシリンジなどで1〜2ヶ月に1回水分を補給してあげる必要があります。
ピンセット
餌皿の取り出しや、餌場のゴミの取り出しなど、ピンセットは絶対に必要な道具の一つですね!
1本でも十分ですが、色々な種類のピンセットを持っていると用途に合わせて使うことができますよ〜。
・ピンセット
ミクロスパーテル
小さなスプーンのような道具です。エサを餌皿に分けたり、エサを混ぜ合わせるときに使います。
小さな(細い)スプーンがあれば、それでもOKです!
・ミクロ スパーテル(薬さじ)
蒸発皿、乳鉢などの小皿
エサを混ぜ合わせるときに重宝する小皿は1つ準備しておきましょう!アリ飼育専用のものがあると便利ですよ。
・蒸発皿
筆
蟻を移動させるときや脱走されたときなど、筆があるとアリの回収に何かと役立ちます。必須ではないですが、あると便利な道具ですね。
エサ
エサは何を用意すべきでしょうか?
オススメはメープルシロップ、黒糖、はちみつ、昆虫ゼリー、ミールワーム、乾燥赤虫などが手に入れやすくておすすめです。
欲をいえば、シロアリ、デュビア(アルゼンチンモリゴキブリ)、などの昆虫を多く用意できるといいですが、はじめての場合難しいと思いますので、最初にご紹介したエサを中心に与えてみてください!
アリのエサについては詳細記事を公開しております。私の個人的なオススメも記載していますので、ぜひご覧ください!
アリ飼育の基本的な流れ
ここからは、実際に蟻を購入してから飼育をスタートさせるときを想定して、飼育の基本をご説明していきます。
蟻が到着したら、蟻たちが生きているかをまずは確認!
アリをネットショップなどで購入した場合、アリが生きているかを真っ先に確認しましょう!
生体ですから、輸送中に死んでしまうこともゼロではありません。万が一死着していた場合は、購入先にすぐに連絡しましょう!ネット専門店で購入していたなら保証してくれるお店が大半です。
蟻の飼育ケースや餌場をセットしよう
アリの販売店で有名なAntRoomさんでは、蟻を購入すれば平型ケースがついてきます。
ですから、蟻を飼育ケースに移動させる必要がないので初心者の方にはAntroomさんがおすすめです。この場合はアリの飼育ケースと餌場をチューブで繋げばセットは完了です!
もしも、簡易的なケースに入れられたアリのコロニーを購入された場合は、蟻を飼育ケースに移動させる必要があります。
蟻を飼育ケースに移動させる方法
買った蟻のケースと飼育ケースをチューブで繋げない場合は下記の方法で引っ越しさせることができます。
まず、透明で大きめのタッパー、アルミホイル、ベビーパウダー、飼育容器を用意しましょう。
ベビーパウダーは、アリがタッパーの側面を登れないようにする効果があります。アリ飼育で重宝しますので、1つ用意しておくことをオススメします。
- ベビーパウダーをタッパーの壁面に満遍なく塗ります
- アリ飼育ケースの石膏面に水分を注入します(加湿飼育の場合)
- 飼育ケースをアルミホイルでキレイに包みます(チューブの穴は開けたままにしておく)
- タッパーに飼育ケースを設置します
- 蟻が入っているケースは蓋を開けてタッパーに入れます
- タッパーに蓋をして1日〜2日ほど待ちます
この方法でアルミホイルで遮光した飼育ケースに移動してくれるはずです。短時間で移動させたければ、タッパーにライトを当てます。アリは光を嫌って暗がりの飼育ケースに移動してくれるはずですよ!
【加水飼育】飼育ケースに水を注入するタイミングは?
1ヶ月から2ヶ月に1回のタイミングで水を給水します。
石膏は白いので水が乾いているのか湿っているのかがわかりにくいのが難点です。
ですから定期的に水を入れる習慣をつけましょう!その際、水を注入する専用の穴があるのと無いのとでは管理のしやすさが大きく違いますので、平型飼育ケースを購入するときは水補給用の穴をつけるオプションを必ずつけるようにしてくださいね。
※乾燥飼育の場合はこの作業は不要です。
エサを与えよう
餌やりはアリ飼育でも楽しいイベントの一つですよね!
しかし、アリにエサを与えすぎるとエサが腐って悪臭やカビなどが発生し不衛生になってしまいます。最初は数匹から十数匹くらいのコロニーでしょうから、少なめに与えるようにしましょう。次の日にエサが食べ残されていたら、そのままにせず回収して清潔に保つようにしておくことが大切です。
エサのパターン例
- 「高たんぱくゼリー」をそのまま
- メープルシロップをそのまま
- はちみつを水で薄めて
- デュビアSSサイズをそのまま
- ミルワームを3等分して
いろいろな組み合わせがありますので、自分オリジナルのエサを見つけ出してみてくださいね!
室温 | エサ頻度 | エサ種類 | |
---|---|---|---|
春、秋 | 室温飼育(20度〜25度) | 2〜3日に1度 | 蜜・小昆虫 |
夏 | 25~30度。私の家では28度 | 毎日 | 蜜・小昆虫 |
冬 | 越冬(15度くらい) | 3~7日に1度 | 蜜(2月以降小昆虫も) |
上記がクロオオアリなど一般的なアリの飼育パターンです。
夏場の飼育
アリの飼育で一番難しいのが夏の暑さです。
アリは30℃を超える室内では弱ってしまいます。その状態が続けばコロニーが全滅してしまう恐れもあります。
ですから夏場の管理には十分注意が必要です。具体的には、一日中エアコンで28℃以下にする、などの対策が必要になってきます。保有コロニーが少数の場合は発泡スチロールなどの大きめの保冷ケースに保冷剤を入れて管理する方法があります。この場合、保冷ケース内の温度にムラが出やすいので冷えすぎないように調整しながら管理します。
- 一日中クーラーを入れる
- 保冷ケースに入れて保冷剤で温度調整する
- 30度を超えない場所に置く
が夏場の管理方法です。
私の家は家の立地上めちゃくちゃ暑くなります。日中締め切ってしまうと38度を超えることもザラなのですが、どうにか弱らせること無く夏をやり過ごせています。
方法は、「保冷ケース」です。魚を入れる発泡スチロール製のケースに5cmくらいの土台を置き、板を敷いてその上に飼育ケースを並べています。空きスペースに凍らせたペットボトルをタオルで保温させて設置します。蓋はせず、ある程度ずらして(空気の流れができるように)蓋を上に置いておく程度にします。
土台を5cm設ける理由は、下に冷たい冷気が溜まるため飼育ケースが冷たくなりすぎないようにするためです。私の環境下では20度から28度くらいで温度管理することができています!
ちなみに現在は、使用していない冷蔵庫でも(電源を入れないで)管理しています。こちらもいい感じです!
詳細記事「夏のアリ飼育はどう管理すればいい?【蟻の暑さ対策】」でも詳しく解説しています。合わせてご覧くださいね!
冬場の管理
日本の本州に生息する一般的なアリなら特に何も対策しなくて大丈夫です。(ただし、5℃以下になる場所で飼育している場合は、保温対策が必要です。)
屋外のアリは冬眠しますが、室内だと温度が高めになるので完全に冬眠することはありません(※室温によります)。そのため、餌やりの頻度は下がりますが、たまに液体系のエサを与えます。熱帯系のアリだと、冬の寒さはNGです。温室を用意して冬場も20℃以上を保つ必要があります。
私は現在(2021年)、日本の在来種を30種類ほど飼育しておりますが、冬場は15℃ほどの室内で飼育しています。(一部、カラフトクロオオアリなど寒冷種は冷蔵庫で越冬させます。)
巣が大きくなったら
2年、3年とたつと、アリの巣(コロニー)は種類によりますが100匹単位の大きなコロニーになります。
コロニーの大きさに合わせて飼育ケースも追加したり大型の石膏巣に引っ越しさせたりしてあげましょう!汚れてしまったら、たまには掃除をしてあげることもアリの長生きのためには重要です。
そして、コロニーが成熟すると形の違う兵アリや羽の付いたオスアリ、新女王アリが羽化するところを目にすることができるようになります。長期的に飼育しないとみられない感動的な光景ですので、アリの飼育を始めたら飽きることなく数年、十数年という単位でアリのコロニーを飼育していただければと思います。
まとめ
アリ飼育をする人がここ数年で非常に増え、じっくり生態を観察する人からインテリアの一部として飼育する人まで、いろいろな方にアリ飼育が支持されるようになりました。
「これからアリを飼育してみたい!」
今回はそういう方に向けて、私の経験を元にアリ飼育の詳細を解説させていただきました。
ただ、もちろん今回ご説明したアリ飼育の基本がこれで全てではありません。
今では当サイトに限らず、いろいろなところからアリ飼育の情報を手に入れることができます。そして、情報を発信するその人その人によっても考え方は様々です。
もちろん、いろいろな考え方があって当然のことだと思いますので、みなさんも、色々と調べながらアリの飼育を楽しんでほしいな、と思います。
そして、いつか私みたいにどっぷりとアリの魅力に気づいてくれる人が増えてほしいですね。
この記事、このサイトがその助けに少しでもなれれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!!